北総の空の下で 原発労働者 毎日命がけの作業
週刊『三里塚』02頁(0942号02面07)(2016/04/25)
北総の空の下で
原発労働者
毎日命がけの作業
4月10日、まだ花が残っているか? という日にち設定でしたが空気全体を淡く染めて花びらが舞う中、最高の舞台で焼肉の七輪を囲み、花見会を楽しむことができました。
3・11から5年、今年も花見ができるのは奇跡に近いことなのかも知れない! 発行されたばかりの『原発労働者は訴えるⅡ』を読んで、事実の重みに震撼しました。あと1時間遅れたら間に合わなかったかもしれない決死の電源確保作業と、想定外に多かった地下水の存在によって、炉心爆発=東日本壊滅という最悪のシナリオは奇跡的に回避できたのです。百年単位の収束作業を担う原発労働者が、自然の力も借りながら、私たちの日常を日々命がけで守ってくれているのです。
何より共感できるのは、現場労働者が被爆・使い捨てと闘い続けていることです。特殊プラントの配管技術と放射線管理の資格を持って状況判断できる人が、仲間を守るためにその技術を使っているのです。横行する被曝線量のごまかし摘発だけでなく、あらかじめ染色体の検査を義務付けて白血病との因果関係を明らかにすることや、被曝を減らす知識を学ぶことなど、組合の力があればもっともっと多くのことを実現できると言います。
一貫して貫かれているのは、働く中にこそ真の復興があるということです。食糧を生み出す農業労働しかり、私たち皆の協働作業で世の中は成り立っています。未来を託す原発労働者の命を、皆で守ろう!
北里一枝