団結街道
週刊『三里塚』02頁(0942号01面06)(2016/04/25)
団結街道
パソコンでの写真編集方法のひとつに「トリミング」というものがある。一言で言うなら「切り抜き加工」といったところだろうか。周辺の余分なところはカットして、必要な部分だけを際だたせることができる▼逆に見せたくないところを隠すこともできる。こうしたテクニックは、画像処理なら表現手段と言えるだろうが、統計などのデータ提示に用いれば、それは真実の隠ぺいというものだ▼3月29日に行われた4者協議会では、NAAから「成田空港における航空需要予測」が示された。「2037年には発着回数が年間50万回に達する」という。日本のGDPが上がり続け、アジアなどで高い経済成長が続くことを前提にした右肩上がり一直線のグラフが示されている▼起点は2010年。だが、元となる国交省の資料では、それ以前の実績データも記載されていた。きれいに消し去られた左側部分に隠されているのは、リーマンショックでガタ落ちした現実なのだ▼さらにつけ加えよう。「2千㌶必要」という話も、なんら具体的な計画にもとづくものではない。年間50万回程度発着している海外の空港の面積を単純に比較、参考にして、同様の敷地が必要だと言いなしているだけなのだ▼こんなインチキな数字を振りかざして農地を奪い、住民を追い出すなど、許すわけにはいかない。周辺住民とともに第3滑走路位置決定を粉砕しよう。