誘導路裁判 「騒音被害受忍せよ」 国の暴論に弾劾の嵐
週刊『三里塚』02頁(0940号02面05)(2016/03/28)
誘導路裁判
「騒音被害受忍せよ」
国の暴論に弾劾の嵐
3月15日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で、第3誘導路裁判の弁論が開かれた。三里塚反対同盟と顧問弁護団、支援は、市東孝雄さんに対する新たな攻撃に出てきた国・NAAに対して、激しい怒りで闘いぬいた。
3月に被告の国・NAAは準備書面を提出してきた。そこでの新たな主張内容は、これまでと比べても悪らつなものだ。「原告・市東は、自由意思で天神峰の家に戻り、住み続けているのだから、騒音被害を受忍すべき。原告適格はない」という暴論だ。この主張を怒りなしに聞くことはできない! 農民の農地を暴力的に奪って建設・拡張を進めてきた空港が、「自分の意思で住んでいるのだから、騒音をがまんしろ。いやなら出て行け」とは、まさに強盗の居直りだ。
午前10時30分に開廷すると、更新意見陳述として顧問弁護団が立ち以下の通り主張した。成田空港はその事業の決定過程から違憲・違法の存在だ。住民の反対の意思を暴力で砕いて開港し、違法な 滑走路の北延伸、第3誘導路の建設などを推し進め、大騒音で周辺住民の生活環境を破壊している。そして今度は、「市東さんの騒音被害は法律の外だ、騒音を耐え忍べ」と言い出した。本末転倒だ! 市東家は90年以上営農してきた。そこに空港が割り込んできた。第3誘導路が造られたことで、市東さんは空港施設に包囲され、騒音にさらされている。厚木爆音訴訟での飛行差し止め判決に続き、第3誘導路を違法と認めよ。
傍聴席からも追いつめられた国・NAAの暴論を弾劾する声が響いた。阪本裁判長はいら立ちながら「発言するな」と制止するのに対して、「裁判長こそ陳述をよく聞け!」「市東さんの怒りを知れ!」と反撃の声を強め闘いぬいた。