京都大学反戦ストライキへの弾圧を弾劾する 全日本学生自治会総連合(斎藤郁真委員長)
京都大学反戦ストライキへの弾圧を弾劾する
全日本学生自治会総連合(斎藤郁真委員長)
京大闘争への弾圧に対して、全学連の声明が発せられた。
(1)
2月29日〜3月1日、斎藤郁真・全学連委員長、作部羊平・京都大学全学自治会同学会中央執行委員長をはじめとする全学連の仲間が、「威力業務妨害」容疑で不当にも逮捕された。本弾圧では、昨年10月27日に京都大で行われた戦争反対のバリケード・ストライキを「授業妨害」と言いなし「犯罪」としている。学生の反戦ストを「威力業務妨害」として告訴するなど歴史上初めてであり、ここに安倍政権の戦争意志が強烈に示されている。
全学連はこの暴挙を弾劾し、総力で反撃に立ち上がることを宣言する。
(2)
昨年10月の京大バリストは、安倍政権の戦争法強行採決への全学連の回答であり、怒れる労働者民衆に次なる闘いの進路を指し示すものだった。 現在の大学と授業そのものが、学生を戦争に動員し、軍事研究を推し進めるものとなっている。これと無関係な大学・学生など存在しない。
「何としても戦争を止めなければならない」――この切実な思いが、京大生をバリストに駆り立てた。これを踏みにじり、「刑事告訴」というかたちで学生を国家権力に売り渡した京大当局こそ、「大学の戦争動員」の先駆けとして弾劾されなければならない。しかも、京大当局の告訴に乗じて、警察権力がきわめて恣意的に学生運動指導部を狙い撃ち逮捕しているのだ。このようなデタラメを、断じて許すことはできない!
昨年のバリストは、京大・山極総長体制の反戦運動弾圧=学生運動弾圧をうち破って闘い抜かれた。昨年9〜10月にかけて、全学連の指導的メンバー4人がでっち上げ逮捕された。これは、運動内部に潜り込んでいた国家権力のスパイを摘発したことを「監禁致傷」と言いなし弾圧したものであるとともに、10月1日の国立大学後期授業開講を前に、戦争法反対の国会行動の最先頭で闘った全学連の解体を企図したものだった。この弾圧では、「事件」とまったく関係ない京大熊野寮に家宅捜索が行われている。山極総長が治安弾圧にお墨付きを与えたのだ。
4人は完全黙秘・非転向で闘って不当弾圧を粉砕し、不起訴奪還されたが、警視庁公安部と京大当局からの謝罪は一切行われていない。10・27バリストは、山極総長体制の戦争動員・国策遂行への怒りの告発であり、正義の決起だった。
(3)
さらに、本弾圧の本質について訴えたい。
第一に、本弾圧が、米日韓一体の北朝鮮への侵略戦争体制が急速に進む中で行われたことだ。かつての朝鮮戦争時の「レッド・パージ」と同様、戦争体制構築と密接不可分の反戦運動・労働運動・学生運動弾圧が各地で行われている。米日韓の北朝鮮経済制裁と、3月7日からの米韓合同軍事演習は戦争突入そのものだ。軍事演習をただちに止めよ。朝鮮侵略戦争を阻止しよう。
第二に、これは5月伊勢志摩サミットに向けた治安弾圧だ。サミットこそ、世界に戦火をもたらし、労働者を貧困のどん底に突き落とす帝国主義各国首脳が集う憎むべき「セレモニー」だ。全世界的怒りが叩きつけられることは必至だ。主催の安倍は、サミットを必死に守るための治安弾圧に手を染めている。しかし、本弾圧こそ危機に駆られた安倍政権の姿だ。相次ぐ閣僚・自民党議員の腐敗と辞職......。安倍政権に残されたのは、弾圧による暴力的「解決」=運動の圧殺しかない。
第三に、不当逮捕された斎藤郁真委員長は、本年7月参院選と同時に衆院選が行われた場合、東京8区(杉並区)からの出馬を決め、公表している。すでにポスターも、都内各所に貼り出されている。本弾圧は、この決断への憎悪に満ちたものだ。
本弾圧は、戦争の時代における治安弾圧であり、学生運動爆発の可能性に国家権力がいかにおびえているのかを示すものだ。よって、全学連はいかなる弾圧もうち破り、戦争反対・改憲阻止に向かって、5月伊勢志摩サミット粉砕から7月国政選挙勝利へ闘う決意だ。全国学友の怒りを結集し、仲間をただちに取り戻そう! 以上。