黒野NAA元社長講演会を弾劾 第3滑走路 「有志の会」の策動に痛打
週刊『三里塚』02頁(0938号02面04)(2016/02/22)
黒野NAA元社長講演会を弾劾
第3滑走路
「有志の会」の策動に痛打
(写真 黒野NAA元社長の講演会場前で弾劾のアピールをする宣伝カー【2月16日】)
「成田第3滑走路実現を目指す有志の会」が2月16日、芝山町の芝山文化センターに黒野匡彦NAA元社長を呼んだ「新春講演会」なるものの開催に対して、反対同盟と支援連は宣伝カーを展開して、弾劾する闘いに決起した。
宣伝カーは午後1時過ぎに会場前に登場し、大宣伝を開始した。「芝山町を廃村に追い込む第3滑走路建設を許してはなりません」「成田の発着枠は余っています。需要がないのになぜ騒音地獄を拡大する新たな滑走路が必要なのでしょうか」と、会場入りした黒野元社長本人と、相川勝重、石毛博道、地元首長らを激しく弾劾した。
弾劾にうろたえた千葉県山武警察署の公安刑事と制服警官が入り口をふさぎ、「相川町長の指示で駐車場に入れさせない」と制止した。宣伝カーの宣伝に対しては、「停車しての宣伝は違反」と不当な規制を試みた。
宣伝カーは、入り口で入場を待つ講演参加者が注視する中、文化センターから芝山町役場一帯にかけて約1時間、黒野元社長と相川町長を弾劾し、第3滑走路推進策動に大打撃を与えた。
黒野元社長は講演の中で、国交省、NAAの主張を代弁する許しがたい文言をくり返した。関西空港が24時間化で、LCC(格安航空)を誘致していることに危機感を表し、「成田も24時間化しなければ取り残される」と騒音下住民の生活と命をないがしろにする発言を行った。さらに第3滑走路そのものについて、「国としても成田の第3滑走路に期待するところは大で日本にとって必要」「これまでも頭を下げて匍匐(ほふく)前進で進んできた」と述べた。そして〝騒音下住民は国、NAAの謝罪を受け入れ第3滑走路に協力せよ〟と脅した。
そもそも黒野元社長は社長在職時の2005年に東峰地区住民に「謝罪の手紙」なるものを送り「今後二度と住民の皆様の人間の尊厳を傷つけるようなことはいたしません」と歯の浮くようなウソを書いた男だ。その黒野元社長が何と言おうと、第3滑走路や空港の24時間化を受け入れる住民はいない。
「空港をもう一つ造るような話だから簡単ではない」という千葉県の森田健作知事の発言にあるように、第3滑走路計画は、地元利権団体の思惑通りに進んでいないのが実態だ。その行き詰まりを打開するための講演会だったが、反対同盟の宣伝に直撃され意気消沈したものになった。