成田久住地区 4者協の説明に住民が反発 Bラン延長に怒り相次ぐ
週刊『三里塚』02頁(0936号02面02)(2016/01/25)
成田久住地区
4者協の説明に住民が反発
Bラン延長に怒り相次ぐ
(写真 第3滑走路などについて住民側が要求した説明会でNAAに批判が噴出したことを報じる新聞【1月31日 千葉日報】)
日帝・国土交通省、成田空港会社(NAA)、千葉県、地元9市町など「4者協議会」による「成田空港機能強化」攻撃との闘いが重大な局面を迎えている。
千葉県は1月28日、県庁内の幹部から構成される「成田空港活用推進本部」(本部長=諸橋省明副知事)の初会合を、森田健作知事も出席して県庁内で開いた。同会議は知事、副知事、各部局長からなり、幹部を網羅している。「第3滑走路整備など機能強化に向けた現状や課題について情報を共有し、全庁で取り組む」ことを確認するための会議だ。
席上森田知事は「第3滑走路建設は新しい空港をもう一つ造るような計画だ。全県一丸となって取り組んでほしい」と発破をかけた。担当者は、各部局に「都市計画や林地開発、道路整備や騒音対策など、今後想定される課題について検討するよう」求めた。
昨年11月27日に行った3回目の「4者協議」では、第3滑走路整備の芝山案が基本的に了承されるとともに、現在の暫定B滑走路の北側1000㍍延伸まで確認された。同会議で決定された「説明パンフ」も作成され、12月末から配布が開始された。
こうした中で、予定地住民、騒音下住民の反発を恐れて動きがにぶかったのが千葉県だったが、1月28日の「推進本部」初会合で、「もう一つの空港を造るような」第3滑走路計画に動き出したということだ。
反対同盟はこうした攻撃に対し、全力で反撃に立ちあがっている。1月16日には第33回目の周辺一斉行動を芝山地域を重点に、展開した。さらに2月14日に町議会議員選挙が予定されている同町町民に対して、選挙前の2月7日に、もう一度一斉行動によるアピールを行うことを決めた。
まさに、「予定地」にされようとしている芝山町民を先頭に「単なる空港の拡張ではない。空港をもう一つ造るような話だ。とんでもない」という声が強まりつつある。 第3滑走路は軍事転用滑走路だという宣伝も浸透しつつある。成田駅頭街宣も含めて反対同盟、支援連絡会議はさらに闘いを強める。
約束を実行せよ
一方、「機能強化」の一つである暫定B滑走路の1000㍍延長計画に対して、予定地住民が反撃に立ち上がった。1月30日、同延長計画の「予定地」および騒音直下地域となる成田市久住地区が騒音対策委員会の理事会を開き、国、NAA、県、市を呼びつけて説明を行わせた。「4者協議会」からの第3滑走路、暫定B滑走路延長に関する説明に対し、参加者から不満と批判が相次いだ。「2010年の発着枠30万回化、2013年の深夜・早朝便の飛行制限緩和の時に約束した落下物回避のための移転対策、防音工事の改善が実行されていない」「今まで出した要望をしっかり実現した上で示すべきだ」などの意見が続出した。
騒音に加え航空機からの落下物への不安と怒りが深刻だ。昨年12月16日、4000㍍滑走路直下の成田市荒海地区で、同24日には同じく成田市西和泉地区で、航空機部品の落下物事故が連続して起きている。人間の生命を脅かす重大問題だ。
この問題が軽視され、一向に改善されない点への怒りが積もっている。 「空港機能強化」と称する第3滑走路建設、B滑走路の1000㍍北延伸攻撃を住民と連帯して断固阻止しよう。50年前を彷彿させるような空港反対運動を再び爆発させよう。