団結街道
週刊『三里塚』02頁(0936号01面06)(2016/01/25)
団結街道
夜の高速道路。産直野菜の配送でトラックのハンドルを握る。歳を重ね、さすがに最近は視力の低下を自覚せざるを得ない。ふと、1月15日のスキーバス事故に思いをはせる。亡くなった運転手は65歳。どんな気持ちで深夜のハンドルを握っていたのだろう▼若者の尊い命が犠牲になった。その全責任は、ずさんなバス運行を野放しにした国交省とバス会社にこそある。事故当初は「業界全体の問題」とか「規制緩和による競争激化が背景」など、マスコミも指摘していた。しかし、時が経つにつれ、事故原因に報道の比重が移り、案の定、ヒューマンエラーの問題に切り縮められている▼国交省は、バス事業者が運転手を採用する際、運転手が長年運転していない大きさのバスを運転する場合は講習を義務づける方針を固めたという。場当たり的な規制を加えれば済む話なのか。金もうけ優先の規制緩和そのものを変えない限り、形を変えて労働強化を生み、必ずまた事故は起きる▼1月16日の一斉行動で、周辺住民とバス事故が話題になった。「LCCで成田の需要を伸ばすというけど、バスと同じで安くしようと思ったら無理がでる。クルマや電車と違い、飛行直下で生活する者は、いつか落ちるんじゃないかと毎日が不安なんだ」▼社会のすべてにおいて、「闘いなくして安全なし」が労働者民衆共通の原則だ。新自由主義に命まで取られてたまるか!