第3誘導路裁判 突然、裁判長が交代 弁護団、更新意見で弾劾
週刊『三里塚』02頁(0935号02面06)(2016/01/11)
第3誘導路裁判
突然、裁判長が交代
弁護団、更新意見で弾劾
(写真 弁論後、報告会を行って成果を確認した【12月22日 千葉県弁護士会館】)
12月22日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で第3誘導路裁判が開かれた。反対同盟、顧問弁護団、支援の労働者・学生が弁論闘争を闘った。
千葉地裁は、弁論のわずか数日前にこれまでの廣谷章雄裁判長から阪本裁判長に交代したことを通知した。そのため、この日は更新意見陳述となったが、陳述の冒頭に葉山岳夫弁護士が「次回期日においてはあらためて十分な時間をとって更新意見陳述を行う機会を与えよ」と強く求めて、陳述を開始した。
まず、成田空港は、位置決定と建設において憲法第29条(財産権の保障)、31条(適正な法定手続き)に著しく違反し、地元農民・住民を敵視して機動隊を差し向けてきた。成田空港は国際空港としての要件を欠き、軍事空港としての性格を持つ。この成田空港の根本的違憲性を本件においても強く主張し立証する、と述べた。
さらに、同じ民事第3部だった多見谷寿郎裁判長は市東孝雄さんの農地法裁判一審で、NAAの主張を全面的に認め、さらに違法にも自分独自の主張まで加えて、天神峰の市東孝雄さんに対する強制的な農地収奪にお墨付きを与える反動判決を下した。今、市東さんは自宅をB’滑走路と第3誘導路にはさまれながら、農業を続けている。裁判所が憲法に反して国策に屈し、その手先となることなど断じてあってはならないと主張した。
三里塚闘争の正義性に基づいた陳述が、国・NAA側を打ちのめした。裁判長は、「原告側の主張はそろそろ完結するのか」などと拙速審理の意図をあらわにした。弁護団はそれをはねのけ、次回以降あらためて更新意見を述べ、さらに新たな主張を展開することを予告した。
千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。最初に葉山弁護士が法廷を振り返りながら、新たに着任した裁判官にきちんと記録を読ませ十分に理解させ、「国策裁判」を粉砕する仕切り直しとして闘うことが必要であることを強調した。質疑応答の後、動労千葉、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会が連帯発言を行った。動労千葉の滝口誠さんは、「反対同盟が毎月の周辺地域一斉行動を一回も欠かさずやりぬいて32回を数え、住民との関係を築いていたことは偉大な地平。第3滑走路攻撃を来年必ず粉砕しよう」と訴えた。
最後に司会の伊藤信晴さんが「激動を闘いのチャンスとしてがんばろう」と呼びかけて報告会を締めくくった。