北総の空の下で 落花生の高騰 産直の意義を実感

投稿日:

週刊『三里塚』02頁(0934号02面09)(2016/01/01)


北総の空の下で
 落花生の高騰
 産直の意義を実感


 千葉は、全国一の落花生生産県です。萩原さん市東さんも、千葉半立ちという昔ながらの品種を作っていて、10月に生落花生、2月に煎り落花生を出荷しています。これとは別に、地元の落花生屋さんが扱うものも、注文があれば仲介しています。有機栽培ではありませんが、煎りたてを安価に提供してくれるので、希望が多いのです。この落花生が今年高騰しました。昨年までと比較すると4割強の値上げです! 落花生の作付け量と生産農家の減少が年々加速している状況で、大手が保有してきた在庫品がいよいよ底をついたのが、主な要因だそうです。天候不順による不作も追い討ちをかけて、落花生を確保するための争奪戦が価格の急騰を招いたのです。
 思わぬところで資本主義の市場原理にほんろうされて、あらためて産直の意義を確認しました。産直とは、自然と格闘しながら有機野菜を作る生産者と、その野菜が欲しいと言う消費者が直接結びつく、とてもシンプルな形態です。私たちの作った野菜を食べて欲しいのは、生活のために必死で働く人たち、年金でつつましく生きる人たちです。中小農家を切り捨てて、富裕層のためにプレミア付きの野菜や果物を作る「攻めの農業」とはまったく相容れません。
 「私の野菜を待っていてくれる人たちのために1本100円の大根を作り続ける」と宣言した市東さんの畑と作業場を守るために、2016年も、皆さんのお力を貸してください!
北里一枝
このエントリーをはてなブックマークに追加