市東さん上告審 最高裁第3小法廷に係属 署名運動 年内1万筆達成へ肉迫 11・27四者協 第3滑走路案を承認 支援連、弾劾闘争に決起
市東さん上告審 最高裁第3小法廷に係属
署名運動 年内1万筆達成へ肉迫
11・27四者協 第3滑走路案を承認
支援連、弾劾闘争に決起
大恐慌の全面的激化を背景に、11・13パリ無差別襲撃事件を引き金にしつつ、米英仏独帝国主義やロシアによるシリア空爆の強化が絶望的に帝国主義の矛盾を激化させている。これは新たな世界戦争をもはらむものだ。帝国主義世界体制の危機を背景に、しゃにむに戦争政治にのめりこんでいるのが日帝・安倍政権だ。三里塚闘争は2015年、この安倍戦争政治と真っ向から対決する反戦・反権力の砦として闘い、市東孝雄さんに対する農地取り上げ攻撃を迎え撃ち、第3滑走路建設攻撃をはね返してきた。この中で、国交省・成田空港会社などの4者協議会が11月27日、第3滑走路推進の成田空港拡張方針を承認し攻撃を本格化させて来た。これに対して支援連は断固弾劾行動に立ち上がった。われわれはこの闘争破壊に対して、全国の労働者人民、地元空港周辺の人びとと連帯して、対決し打ち砕く決意だ。
さらに5万人署名の前進を
市東さんの農地法裁判上告審で最高裁は12月5日、係属部を第3小法廷にすることを通知してきた。いよいよ最高裁決戦が本格攻防に入った。
最高裁への5万人署名は、12月9日現在9502筆、賛同人は420個人・団体だ。反対同盟は年内に1万筆を達成し、2016年、署名提出行動を闘う決意だ。
署名運動は圧倒的に前進している。動労千葉、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部はじめ全国から多数の署名、賛同署名が寄せられている(2面に記事)。さらに加速させよう。
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一方、第3滑走路攻撃をめぐって11月27日、成田空港に関する4者協議会は、拡張計画について論議し、成田空港会社(NAA)から出された第3滑走路案などを検討した。その結果、第3滑走路の本格的推進を確認するとともに、設置場所として芝山案を承認した。
のみならず、現行の暫定B滑走路を北側に1000㍍延長する案も了承し、さらに、2013年に緩和したばかりの深夜・早朝便のさらなる規制緩和=24時間空港化まで提案した。これに対して三里塚闘争支援連絡会議は、成田市に対する弾劾行動に決起した。
われわれは、第3滑走路建設によって強制移転、騒音地獄の絶望的な拡大を強行しようとする4者協議会を徹底弾劾する。新たな〝農民殺し〟とも言うべき暴挙を、騒音下住民と連携し、全国の労働者人民とともに、粉砕することを宣言する。50年前の成田空港位置決定の暴挙を居直り、その破たんをさらに拡大しようとする空港拡張案に対し、われわれは新たな三里塚闘争の爆発をもって断固応える。
成田は「内陸空港」という致命的欠陥から永遠に逃れられない。そこに、「新たな空港をもう一つ造る」と言われる第3滑走路建設・B滑走路延伸を行うことは、予定地住民に強制移転を迫るとともに、周辺住民に対していっそうの騒音地獄を強制する。
しかも第3滑走路なるものは、前提が崩壊している。「拡大する航空需要」と宣伝されているものは空港・航空利権の拡大を狙うためのデマゴギーでしかない。「外国観光客の増加」なるものも一時的な気休め現象でしかない。現に成田空港の発着回数は、30万回の目標に遠く及ばぬ23万回でしかない。「さらに16万回増やして46万回にする」なる強がりがいかに空しく聞こえることか。
それにもかかわらず、日帝・国交省、NAAが建設にひた走る理由は、軍事転用を目的とした滑走路の増設なのだ。今年6月に米韓軍の間で北朝鮮に対する全面戦争=「作戦計画5015」が締結された。「集団的自衛権の行使は朝鮮半島」と公言する安倍戦争政治の焦点は朝鮮半島だ。そして今、有事の危機がもたらされている。
この情勢の中での成田空港の位置が決定的なのだ。1994年の朝鮮危機以来、成田は、朝鮮有事の際に米本土から飛来する50万型の兵員・物資の空輸基地に位置づけられている。航空需要が拡大しない成田空港にとってまったく必要のない第3滑走路を推進する背景には、大型爆撃機、大型輸送機が必要とする2本目の4000㍍級滑走路整備の思惑が横たわっているのだ。
危機と矛盾に満ちた第3滑走路は必ず粉砕できる。11月27日の4者協議会が承認した方針に対して、周辺住民、特に芝山町から激しい怒りの声が噴きあがっている。現在ですらA滑走路と暫定B滑走路の騒音にさらされ、第3滑走路ができれば、さらに激甚な騒音を強制される地域では、「もう一回ハチマキをまくしかないか」などの声が上がっている。
特に、元反対同盟員でありながら、現在は、日帝国交省・NAAの先兵と成り果てている芝山町長・相川勝重への弾劾の声が強まっている。4者協は今後、「住民への説明を行う」と公言している。この説明会を住民の怒りの決起の場に転化し、計画を粉砕しよう。
なお4者協では前述した「深夜・早朝便のさらなる緩和」について、「住民の声を聞く」と称して招かれた3住民団体から、「論議すること自体が不謹慎だ」「認められない」という激しい意見表明がなされ、吹き飛ばされ粉砕された。ここにも周辺住民の怒りの深さが示されている。