11・15 一斉行動 多古町の「騒音直下」地域へ交流を広げる

週刊『三里塚』02頁(0932号01面02)(2015/11/23)


11・15 一斉行動
 多古町の「騒音直下」地域へ交流を広げる

(写真 「署名、年内1万筆をめざそう」と一斉行動前に打ち合わせ【11月15日 成田市天神峰】)

(写真 成田市川上地区の農家を訪問する宮本麻子さん【11月15日】)


 11月15日、反対同盟と支援連絡会議は、2013年5月以来、31回目となる成田空港周辺地域の一斉行動に立ち上がった。今回は、11月1日にNHKが成田空港会社の意を受けて、「三つの第3滑走路案」を報道する中、こうした動きを真っ向から粉砕する闘いとして取り組まれた。同時に、市東孝雄さんの農地法裁判上告審で展開している最高裁署名で、年内1万筆突破を目指す行動として展開された。
 朝8時30分にいつも通り天神峰の市東孝雄さん宅離れに全員が集合し、打ち合わせに臨んだ。
 最初に萩原富夫さんがあいさつし、「沖縄の辺野古では警視庁機動隊までが投入され、沖縄の人びとの弾圧に乗り出している。が、反対する人びとはこれに屈せず実力闘争を闘っている。沖縄の闘いと連帯し、農地死守・第3滑走路粉砕へ闘おう」と述べた。
 市東孝雄さんは、「2年半続けて、一斉行動も定着してきた。親の世代への説得も大事だが、農家の後継ぎや空港内で働く人も含めて次世代の獲得をめざしてがんばろう」と訴えた。
 支援からは、「第3滑走路反対署名はやらないのか」との声が住民から上がっていることが報告された。この日出された「反対同盟ニュース」は第26号。最高裁署名が現在8259筆と報じ、年内に1万を達成することを呼びかけ、TPP大筋合意を弾劾し、反対同盟と韓国民主労総との熱い交流を報告。さらに、安倍政権による沖縄への警視庁機動隊投入や第3滑走路計画に対する住民の怒りの声を載せている。
 反対同盟ニュース、賛同署名ニュース、署名用紙、賛同署名用紙などをもって、それぞれが担当地域へ出発した。
 反対同盟と支援連は、控訴審の時に署名してくれて、まだ最高裁署名をもらっていない家に優先的に訪問するなど、署名の成果をいかに上げるかに知恵をしぼりながら、各訪問先を歩いた。
 婦人行動隊の宮本麻子さんは、成田市川上地区を回り、ていねいに対話を重ねて9筆の署名を得た。また、懇意になった家もあり、そこでは沖縄辺野古の問題、安倍政権がNHKに圧力をかけている問題など、政治的なテーマが話題になった。一方、萩原静江さんはこの日に合わせて友人知人などに声をかけ、15筆の署名を集めた。
 三里塚現闘の一人は、第3滑走路ができれば騒音直下になる多古町の水戸部落をもう一人の仲間とともに回った。ここは、今まで回り切れていなかった所で、初めての訪問だ。回って見ると、第3滑走路についての情報は「ほとんど聞かされていない」という住民が大半だった。その中で「強制収用には反対だ」として2軒が署名してくれた。
 午後5時、市東さん宅離れに再集合してそれぞれの成果や情報を報告し合った。
 ある現闘員は「第3滑走路の実現をめざす有志の会」の動向について報告した。また、石毛博道が議員を連れて「有志の会」への勧誘に歩いている情報も報告された。多古町のある部落では「オリンピックより福島救援に金を使え」とストレートに怒りをぶつけて夫婦で署名してくれた住民の報告があった。
 伊藤信晴さんからは「有志の会」が出した2番目のパンフレットについて、「代表発起人の名簿を見ると、1回目のパンフに比べて、商工会の役員や第3滑走路の敷地に土地がかかる部落の人などがずらっと並んでいる。まさに補償金狙いであることが露骨だ」と説明された。
 最後に成果が報告された。署名61筆、賛同署名6筆。「公表可」とする賛同人の多いことが目立つ。最後に萩原富夫さんが、「年内1万筆達成へ向けて全力でがんばろう。来年7月には、三里塚闘争50周年の集会開催を予定している。企画内容を充実させて成功させよう」と述べ、参加者一同にさらなる奮闘を促した。
 今回も改めて周辺一斉行動の力が示された。2年半もの間毎月、北は利根川に接する成田市旧下総町から南は多古町。東は旧大栄町から西は芝山町西部まで。広大な地域を、「同盟ニュース」やパンフレットを携えて、一軒一軒、終日歩いて回る地道な活動は、圧倒的な地域制圧力を持っている。署名はもちろん多彩な情報も集まってくる。今後さらに、厚い関係を築くべく、一同は決意を新たにした。次回行動日を12月12日と決めて散会した。

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