米韓の「作戦計画5015」 日帝 朝鮮侵略戦争参戦へ

週刊『三里塚』02頁(0931号02面02)(2015/11/09)


米韓の「作戦計画5015」
 日帝 朝鮮侵略戦争参戦へ

(写真 米韓による「作戦計画5015」の概念図。以前の計画に比べ先制攻撃を打ち出している )

 米韓両軍は今年6月新たに「作戦計画5015」を策定したことが分かった。今回発覚した「5015」は、従来の「作戦計画5027」などの延長線上にはない。
 「作戦計画5027」は北朝鮮が南侵し、全面戦争に訴えてきた場合の対処方針を定めたのに対して、「作戦計画5015」はより迅速的、積極的な作戦計画だ。既存の作戦計画の内容を継承・統合した上で、新たに「局地挑発への対応計画」を盛り込み、南北間で局地的衝突が発生した時点でただちに北朝鮮の「指揮部(=ピョンヤン)」を総攻撃することを明記した。
 2010年11月に延坪島(ヨンピョンド)で発生した砲撃戦や、今年8月の軍事境界線上での衝突のような事態が起きた場合、これを奇貨としてただちに米韓の側から北朝鮮中枢の攻撃に訴えるということだ。
 さらには北朝鮮の核やミサイル発射の兆候が見られた時点で、30分以内に核兵器などを総動員して先制攻撃する「状況に応じた抑止戦略」が盛り込まれた。これは北朝鮮の核・ミサイル発射の兆候が見られたら先制打撃するという韓国軍の「キルチェーン」の概念が反映されたものだ。軍関係者は、「北朝鮮の核・ミサイル攻撃の脅威に対し、連合防衛体制で備えるようになる」とし「北朝鮮が核・ミサイル攻撃をする前に、あらかじめ軍事的に対応して被害を予防することは、先制攻撃ではなく、自衛権に基づく対応」と強弁した。
 この他、韓国軍幹部は、北朝鮮が核兵器を使用する兆候が見られた場合にキムジョンウン第一書記ら北朝鮮指導部を暗殺する「斬首作戦」を立案したと発表した。
 いずれも従来の戦争計画よりはるかに迅速かつ積極的に北朝鮮を先制攻撃し、事態を全面戦争までエスカレートさせる恐るべき戦争計画だ。
 軍関係者は、「今回合意された作戦計画は戦争勃発など有事の際、韓米軍事力運用に関する大きな下図に当たる」とし「韓米両軍は、新しい作戦計画に基づいて隷下部隊にまで適用される具体的な作戦計画を、年末までに作業することになる」と述べた。「作戦計画5015」は、来年から本格的に運用される。
 一方、安倍政権による安保戦争法案の強行成立で、日韓の軍事協力が強化され始めた。韓国国防部は9月21日、「日本の安保関連11法案が参議院を通過し、自衛隊の集団的自衛権行使が法的に可能になった」とし、朝鮮半島有事における自衛隊の活動範囲などを議論する日米韓3カ国の「実務者協議」を10月中旬にも開催すると発表した。
 また22日には、韓国海軍のチョンホソプ参謀総長が「北朝鮮を抑止するために日本の自衛隊と協力する必要がある」と述べ、来年の米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」に自衛隊を参加させることをほのめかした。
 一方日帝・安倍政権は、韓国政府の同意なしに北朝鮮を直接攻撃しようとしている。すでに「敵基地攻撃も法文上可能」(防衛大臣・中谷元)とし、給油なしで朝鮮半島まで戦闘行動を展開できる最新鋭戦闘機F―35の導入を決めた。「朝鮮有事への対処」と称して、米日帝は北朝鮮の体制転覆と、ゼネストに立ち上がる韓国・民主労総の鎮圧を狙い、帝国主義的な侵略戦争をやろうとしている。「5015」こそ具体的な戦争計画にほかならない。
 こうした朝鮮半島情勢の切迫で問題となるのが、後方支援戦域としての日本列島であり、空輸基地としての成田をはじめとする巨大空港の軍事動員だ。成田でまったく必要のない第3滑走路計画をゴリ押しするのは、こうした成田軍事転用の必要性に応えるものだ。粉砕あるのみだ。
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