主張 朝鮮侵略戦争と成田空港 兵員・物資の空輸基地

週刊『三里塚』02頁(0930号02面03)(2015/10/26)


主張
 朝鮮侵略戦争と成田空港
 兵員・物資の空輸基地


 対中国ブロックを目的にしたTPP「大筋合意」の強行、南沙諸島をめぐる米中の軍事対立。中東、ウクライナを含めた世界戦争の火種はますます拡大し、その全矛盾が最先端である朝鮮半島での戦争の危機に集中されつつある。
 それを示すものこそ、今年6月に米韓で合意された作戦計画「5015」だ。この作戦は、「北朝鮮が核攻撃を準備し始めた」とアメリカが認定した時点で、先制攻撃に打って出ることになっている。そこではキムジョンウン第1書記の首をはねる「斬首作戦」なるものまで含まれている。
 事態はまさに1994年を上回る戦争情勢として展開しようとしている。想起しよう。20年前、明らかに米朝対立は一触即発の危機に近づいていた。アメリカ帝国主義に開戦をちゅうちょさせたのは、日本列島での後方支援体制の不在だった。当時は、周辺事態法もなければ有事法制、武力攻撃事態法もそして安保戦争法もなかった。
 今回、安倍政権は「集団的自衛権の行使は朝鮮半島で」と公言して、安保法制定を強行した。さらに2008年大恐慌の生起とその後の深化に見られる現在の帝国主義の危機の深さは当時とは比べものにならない。
 もう一つ想起しなければならないのが、後方支援体制づくりにおける成田空港の位置づけだ。1995年、米クリントン政権が日本に要求した「1059」項目の中に、「主要空港の軍事的使用」として成田の動員が盛り込まれた。これに先立つ1994年6月には在日米軍準機関紙「星条旗新聞」が、「朝鮮有事の際に米軍は成田、新潟、千歳の定期便をストップさせ、兵員や死活的軍需物資の空輸基地に転用することを要求することになるだろう」とまで報じた。
 そして、内部告発サイト「ウィキリークス」は、2011年に流された米軍情報を紹介し、2008年7月、アメリカは外務省や防衛省に23の空港と港湾の調査を要求していたと暴露している。幹部自衛官らによる内部向けの研究誌「陸戦研究」も、日本周辺で有事の際には、「日本は戦闘地域と米本土を結ぶ『戦域基地』として、兵士や物資の中継地点となる」と分析しているのだ。
 朝鮮侵略戦争体制づくりを阻む三里塚闘争の決定的な位置は明らかであろう。暫定B滑走路の1000㍍延長および3500㍍の第3滑走路計画。これらの中に、C5Aギャラクシーなど巨大輸送機の離着陸、B52など戦略爆撃機の離着陸に必要な2本目の4000㍍級滑走路の要求がはらまれている。第3滑走路建設阻止の闘いは待ったなしだ。
 そして、市東さんの農地を守る闘いは、日帝の侵略戦争体制づくりそのものを掘り崩す反戦の闘いだ。反戦・反権力の砦=三里塚が50年の歴史の厚みをたずさえて、朝鮮侵略戦争阻止の最先頭に立つ時が来た。
 軍事転用のための第3滑走路阻止、市東さんの農地を守る5万人署名・賛同人署名に全力を挙げよう。
 動労千葉・動労水戸―動労総連合を先頭とする労働者階級との労農連帯、ゼネストでパククネ政権と対決する韓国民主労総をはじめとした世界の人民との国際連帯を深め、三里塚闘争に勝利しよう。
このエントリーをはてなブックマークに追加