反対同盟 30回目の一斉行動に立つ 周辺住民から計291筆の署名
反対同盟 30回目の一斉行動に立つ
周辺住民から計291筆の署名
10月18日、反対同盟の第30回目の空港周辺地域一斉行動が闘われ、住民の大きな反響と共感を作り出した。6月12日の東京高裁判決以降、特に署名に取り組み始めた8月23日の一斉行動以降、第3滑走路を阻止する陣形、市東さんの農地を守る最高裁闘争を闘う陣形が着実に拡大していることを実感させる闘いとなった。
朝8時30分、10・11集会の成功で意気上がる反対同盟、三里塚闘争支援連絡会議の仲間が成田市天神峰の市東孝雄さんの離れに集まった。
萩原富夫さんが「10・11集会御苦労様でした。いい集会だったと思う。カンパの多さの中に、市東さんの農地を守る決意が込められていた。北原さんも気力をふりしぼってすばらしい発言をしてくれた。最高裁決戦が煮つまっている。5万人署名、何とか年内に1万筆を達成すべく今日一日がんばろう」と提起した。
市東孝雄さんも「成功した集会だった。だんだんと地熱が高まってくるのを感じる。今日一日がんばりましょう」と訴えた。「反対同盟ニュース」も第25号に達した。10・11集会の記事と反対同盟の発言を載せる一方、9月24日に強行された石毛博道(成田空港共栄共生会議委員)、相川勝重(芝山町長)らによる「成田第3滑走路実現を目指す有志の会」の設立総会を弾劾している。「地域住民の声」の欄ではA滑走路と暫定B滑走路にはさまれた谷間地区に住む住民の「俺たちを殺す気か」という怒りの声を紹介している。
石毛らがパンフレットの改訂版を出したことについて、「初版と比べても、成田市側と張り合って第3滑走路を芝山に誘致して、利権にあずかろうという魂胆が露骨だ。第3滑走路は軍事転用が目的だ、という反戦闘争の視点を鮮明にして住民に訴えよう」という発言が支援から行われた。
すすんで署名集め
9時過ぎ、それぞれが担当地区へ向かった。反対同盟の伊藤信晴さんは所属するちば合同労組の定期大会に参加して、署名を呼びかけ協力を得た。全学連行動隊の2人は成田市多良貝地区を回った。ある家では若い学生の来訪に感激した農家がサツマイモの「紅アズマ」をおみやげに持たせてくれた。
三里塚現闘が回った芝山の菱田地区では、前回賛同人になり、「友だちを回って署名を集める」と約束してくれた人が、「第3滑走路などとんでもない」と29筆の署名簿を携えて待っていた。
多古町北部で前回賛同人になってくれ、カンパをしてくれた人が、「またカンパするから」と声をかけてくれ、安倍政権の戦争政治批判を熱を込めて語った。
芝山町北部の旧反対同盟地域では、不当逮捕されたことがあるという女性が、「デッチあげの不当逮捕だった」と今でも憤慨している話がされたり、1971年9・16闘争後の青年行動隊弾圧で、夫が逮捕されたため、「自分も職場で圧力をかけられた」などの会話がされた。
「子どもたちが空港に勤めているので、『空港廃港』とは言えないが、『反対同盟ニュース』はいつも読んでいる」と反対同盟の訴えに注目している様子が伝わってきた。
午後5時、市東さんの離れに再集合してそれぞれの成果を報告しあった。周辺一斉行動の成果がじわりじわりと感じられる反応があちこちであったことが報告された。中でも第3滑走路策動に対して、怒る住民の声が多数紹介された。
この日の成果は署名79筆、賛同署名が5筆。8月から数えて計291筆、賛同署名が20人に達し、着実に前進している。次回を11月15日と決めて散会した。
一斉行動も30回目。地道な取り組みが国交省とNAA、地元利権団体を追いつめている。反対同盟はさらに展開する地域を拡大し、闘いを強化していく方針だ。