第3滑走路「目指す会」設立弾劾する 石毛ら軍用滑走路建設の先兵に
週刊『三里塚』02頁(0929号02面02)(2015/10/12)
第3滑走路「目指す会」設立弾劾する
石毛ら軍用滑走路建設の先兵に
(写真 石毛博道らが発行したパンフレットの改訂版 )
三里塚闘争から脱落・転向した石毛博道(成田空港共生・共栄会議委員)、相川勝重(芝山町長)らによる第3滑走路誘致策動が地域住民の怒りを増幅させている。石毛らは9月24日、「第3滑走路の実現を目指す有志の会」を発足させ、第3滑走路推進のパンフレット改訂版を作成して誘致の動きを強めた。
しかし、誘致に血道をあげればあげるほど、彼らの薄汚い正体が露呈している。改訂パンフは旧版に比べて、利権あさりの本性をよりむきだしにしたものとなっている。つまり、第3滑走路を「成田市でなく芝山町に」と主張しているのだ。
昨年6月に国土交通省の「首都圏空港機能強化技術検討小委員会」から出された第3滑走路案では2つの案が提示されていた。
第1案は現在の暫定B滑走路に平行した位置、すなわち成田市に2700㍍の滑走路を造る内容であるのに対して、石毛らが飛びつく第2案はそれより約2㌔も南側に移動させ、滑走路全部を芝山町に誘致する内容となっている。
この両案をめぐって今、成田市側と芝山町側で利権争奪が起きている。滑走路および付属する施設からもたらされる巨額の固定資産税と滑走路に群がる民間倉庫群などによる税金が巨大な利権となるためだ。
したがって、第3滑走路を推進する運動は成田市側と芝山側で対立して展開されており、成田商工会議所などは、石毛らの要請にもかかわらず、「目指す会」への参加を拒否し続けている。(ちなみに成田市側は昨年4月に「成田第3滑走路を実現する会」という別組織を先に作っている)
このため、第2パンフはいかに第2案が第1案より「すぐれているか」を論じ立てるものとなっている。しかしどちらも同じ穴のむじなだ。
問題は、芝山への第3滑走路誘致が、現在でも人口減少が著しい芝山町の衰退にいっそう拍車をかける、芝山衰滅運動となっていることだ。3500㍍もの巨大滑走路を芝山北部に造ることが騒音地獄をどれだけ激甚にし、人間の住めない地域にするかは、誰にでも分かる話だ。にもかかわらず、石毛、そして町長である相川自身が先頭に立って芝山廃村化計画を推進しているのだ。
それだけではない。安倍政権の戦争政治によって、第3滑走路は軍事転用滑走路である実態が明らかにとなってきている。6月に米韓で締結された朝鮮侵略戦争「作戦計画5015」に示されるように、安倍戦争政治の焦点は朝鮮半島だ。成田空港は1994年の朝鮮危機以来、朝鮮有事の空輸基地に位置づけられている。需要のない成田空港にとってまったく必要のない第3滑走路を推進する理由は、B52などの巨大爆撃機が必要とする2本目の4000㍍級滑走路整備なのだ。
利権あさりに夢中の石毛・相川らはこうした安倍戦争政治の先兵に転落している。われわれは、第3滑走路に怒る周辺住民そして全国の労農学人民と団結して、軍事転用のための第3滑走路計画を粉みじんに粉砕するであろう。