団結街道
週刊『三里塚』02頁(0927号01面07)(2015/09/14)
団結街道
8月26日付の毎日新聞夕刊に「航空人為ミス倍増」との記事が載った。国土交通省が2014年度に報告を受けた航空機の「安全上のトラブル」のうち、ヒューマンエラーが原因とされるものが前年度の約2倍、207件に急増したというものだ▼パイロット不足による過重な労働の問題が指摘されているが、そもそもパイロット不足をもたらしたのは航空会社の合理化だ。そしてLCC(格安航空)の台頭によって激化した航空会社間の競争に勝ち抜くために、機体の稼働率をぎりぎりまで上げて労働者に長時間労働を強制し、地上での休憩時間も削減して、安全を崩壊させてきたのだ。断じて労働者の責任ではない▼同記事はパイロットに焦点を当てているが、よく読むと、昨年度のトラブルは82件のパイロットより整備従事者の86件の方が多い。気になって直接国交省の資料にあたってみる▼「整備の主任者が必要な作業の経験がなかった」とか、「整備委託先の担当者が整備の期限の確認をしなかった」など、労働の習熟や連携がなおざりにされた特徴的な例が記されている。やはり非正規化・外注化の問題なのだ▼国交省は「必要な教育・訓練、審査」といった対策を言いなしているが、冗談ではない。非正規化・外注化で労働組合を解体して、労働者を分断する攻撃こそ安全崩壊の元凶だ。安全のために必要なのは、まさしく闘う労働組合である。