北総の空の下で 軍用機を飛ばすな 反戦の砦

投稿日:

週刊『三里塚』02頁(0926号02面05)(2015/08/24)


北総の空の下で
 軍用機を飛ばすな

反戦の砦

 8月下旬、35度超えの猛暑は峠を越したものの残暑が続きます。盆中からの断続的な雨は、早くも秋雨前線によるものだそうです。里芋の灌水(かんすい)の手間はなくなりましたが、トマトなど夏野菜に赤信号です。
 天候によって、できの良い物、今一つの物は毎年変わりますが、畑を回しながら多品目作っている農業はそれが当然、採れた物を分け合うのが産直の基本です。産地交流で、二股の人参を掘り当てて歓声をあげる子、キャベツの青虫をキラキラした目で見つめる子が、産直野菜とともに育ってくれることが私たちの願いです。もっと多くの子どもたちに、規格化を拒む有機野菜のエネルギーを知って欲しいと思います。私たちは自然環境や食べ物に順応しながら進化の過程をたどってきました。それを変えたのが敗戦です。「文化的で衛生的な」アメリカナイズされた生活、米と野菜に代わるパンと肉は「体格と頭をよくする」と大宣伝されました。現実にはアトピーや大腸がんを誘発し、日本食が見直されています。
 戦後70年、戦争法案をめぐる熱い夏の攻防真っただ中です。これと呼応して第3滑走路計画が動き出しました。成田空港建設は、羽田がベトナム戦争に向かう米軍機で満杯になったことに端を発します。半世紀を経て、成田から中東やアジアに米軍機と自衛隊機を飛ばすのか? 空港労働者がそれを手助けするのか? 反戦の砦・三里塚の存在意義が問われます。
北里一枝

このエントリーをはてなブックマークに追加