団結街道

　京成成田駅を降りて東口コンコースに立つと、真新しい白い建物が景観に加わっている。来月オープン予定の「徳洲会」の総合病院だ▼徳洲会と言えば、徳田毅元衆院議員の選挙違反や猪瀬直樹前東京都知事への５千万円提供など、金にまつわる話は枚挙にいとまがない。この地での開設の狙いも、成田空港に近い立地を生かした金もうけの「医療ツーリズム」（海外から患者を積極的に受け入れて高度医療を施す）にあることは想像にかたくない。徳洲会はかねてより医療ツーリズムを提唱しているのだ▼期を同じくして、政府は７月31日、成田市に大学の医学部新設を認める方針を決めた。国家戦略特区制度のもとで、海外から留学生や外国人教員を招き、２０１７年４月の開学を目指すという。併設の大学病院では医療ツーリズムを行うことも想定している、と報じられている▼医療ツーリズムは、医療技術を「商品」にする新自由主義攻撃の最たるものだ。小泉一成成田市長は、医療ツーリズムに関連して、「新しい『成田空港ブランド』を」と発言している。金もうけで生き残りをはかる成田。そのための空港拡張と24時間化など許すわけにはいかない。