「有志の会」弾劾する 国・NAAの先兵「有志の会」許さぬ 三里塚芝山連合空港反対同盟
週刊『三里塚』02頁(0925号01面05)(2015/08/10)
「有志の会」弾劾する
国・NAAの先兵「有志の会」許さぬ
三里塚芝山連合空港反対同盟
石毛博道氏(成田空港共生・共栄会議委員)、相川勝重氏(芝山町長)らが本日、「成田第3滑走路実現を目指す有志の会」なるものを立ち上げ、三里塚闘争破壊の見返りに、私利私欲を求める策動を開始した。われわれは彼らを断じて許さない。これは、NAAの農地取り上げと闘う市東孝雄さんと反対同盟への最大の敵対行為に他ならない。
石毛氏らの目的は第3滑走路の芝山町菱田地区への誘致であり、そのことによる補償金獲得だ。彼らは5月18日の記者会見で「国やNAAが言えないことを民間だったら言える」と、政府へのすりよりを得意げに語り、パンフレットでは、国土交通省になり代わってスポークスマン役を演じている。
「2030年には首都圏の空港容量が足りなくなる」「だから第3滑走路が必要だ」と。噴飯ものだ。国土交通省による「官製予測」で自らの利権あさりを「正当化」しようという浅ましい行為だ。
だが、第3滑走路の必要性はみじんもない。航空需要の羽田シフトで成田空港の発着は、30万回化の目標に対し22万回でしかない。何が「第3滑走路で50万回化」か。何よりも3500㍍という巨大な滑走路を造れば、新たな土地取り上げ、移転が強制され、周辺地域の住民にすさまじい騒音被害を及ぼすことは明白だ。「有志の会」に、これらの住民の苦しみ、痛みへの配慮はない。言っていることは「騒音下住民を金で黙らせる仕組みを作るべき」――これだけだ。まさに、他人の犠牲の上に利益をむさぼる最悪の利権集団だ。
すでに被害が想定される住民を中心に、激しい批判の声が上がっている。「いまさら再移転なんてとんでもない」「元空港反対派が今は利権あさりか、何を考えているのか」と。石毛、相川、「有志の会」は彼らの声をよく聞け。50年前に「寝耳に水」で空港計画を知らされ、反対運動に立ち上がった時の怒りを忘れたのか。
必要のない第3滑走路計画の裏にあるのは、朝鮮有事での成田軍事転用の狙いであることを特に訴えたい。安保法制論議で安倍首相は、集団的自衛権行使の対象として「朝鮮半島」を明言した。1994年の朝鮮危機以来、4000㍍滑走路を唯一持つ成田が、米国本土から飛来する米軍30万人の中継基地に位置づけられている。そのため空港周辺のさまざまな施設が調査された。さらに今年4月27日の日米ガイドライン改定で「民間空港、港湾」の有事徴発が改めて明記された。第3滑走路の狙いは成田の軍事基地機能の強化だ。
われわれは、戦争につながる第3滑走路建設を阻止する。最悪の利権集団=「成田第3滑走路の実現を目指す有志の会」の設立を許さない。安保法制に反対して立ち上がる数十万の人びとと固く結びつき、50年目を迎えた三里塚闘争の勝利まで闘いぬく。
2015年7月29日 三里塚芝山連合空港反対同盟