農民の解放へ 真の道は何か ⑤ 農民学習会 労農同盟論を学ぶ 農民は革命の担い手 労農連帯でゼネスト闘う 安倍打倒が農民の生きる道

週刊『三里塚』02頁(0924号02面09)(2015/07/27)


農民の解放へ 真の道は何か ⑤
 農民学習会 労農同盟論を学ぶ
 農民は革命の担い手
 労農連帯でゼネスト闘う
 安倍打倒が農民の生きる道

(写真 農産物価格の下落に対する対策を求めて高速道路をトラクターデモするフランスの農民【2009年10月16日】)

第2部 参加者の討論(1)

第1回 プロレタリア革命の主体的担い手としての農民階級
第2回 先進的農民の課題と展望
第3回 農業・農民問題
第4回 レーニン労農同盟論とスターリン主義の破壊

≪第1回 プロレタリア革命の主体的担い手としての農民階級≫

 編集部 三条さん(講師)の提起の中では、農民を「革命の主体的担い手」と強調している点がよいと思う。
 三条 農民がどういう存在なのかということを、かなりはっきりさせてきたと思う。社会にとって絶対的に必要な存在なんだということ。その点に農民が「自分は社会を支えているんだ」と自信を持つことだ。そして、労働者と一緒になって社会をつくっていく立場が必要だと思う。その立場性が重要だと思うんです。
 大戸 農民が生きて行くためには、改良でなく革命だということを、農民に対してどのように訴えるのか。三段跳びで行く訳でない、周りの農民たちにどう話していくのかが課題だと思う。
 飯島 40年前、俺が運動を始めた頃は、「政治を変えなければ農家はよくならない」という意見と、「自分たちで経営改善をはかるのが先」という意見で、議論をやっていた。しかし今、農民の状態がここまで来てね......。
 川尻 そう、農民にもう未来はない訳だから。いま苦しい、けど未来もさらに苦しい。みんなが分かっている。
 飯島 農民として、どう世の中を変えていくのか。労働者は日々資本家との闘いがあるけど、農家の場合それが無い。結局、今の安倍農政はどうなのかを捉えてやっていくしかない。
 例えば米価ですよ。昨年、60㌔1万円を切った。それが3年続いたらどうなるのか、やっていけない。多くの農民は「自分だけはどうにかなる」と思っている。だから、安倍のやり方はこうだとはっきりさせていくことではないか。9500円の米価の時、採算を取れるのは岩手県の200㌶の農家だけ。日本みたいに土地が狭い所では効率悪いから、拡大すれば反比例で生産費が下がるというものではない。ある程度下がっても、また上がる。20㌶が一カ所にあれば一番効率よいが、40㌶にすると設備投資が必要で逆に生産費が上がっちゃう。
 川尻 住友化学が米の生産を始めると報道された。1万㌶で生産する。そこでは日本人労働者を使わない。絶対、外国人労働者を使うことになるんじゃないか。
 飯島 いま米粉を使った加工品の生産を、政府の言う「6次産業化」などと進めている農家もいる。しかし、補助金でやっているようなもの。畜産では飼料価格が値上りし、逆に肉の値段が下がって、農家の負担が増えている。6次産業化したら、養豚そのものがおかしくなっている。結局、今の安倍政権では「農民が自分たちでうまくやっていこう」などという道はかなり狭まり、無いんじゃないか。
 大戸 安倍の農民つぶしが資本主義の問題であること。ここをはっきりさせて、プロレタリア革命を訴えることになる。そこを曖昧にしないことではないか。
 川尻 俺は、農業問題を農民の側からだけで見ないことだと思うんだ。今の社会は労働者が多いわけだから、労働者があって農業問題があるんだよ。俺はそこから話すんだよ。「労働者が豊かでなくてなぜ高い農産物を買えるんだ」と。固定観念で言うよりも、意外とここでわかる人ははっきりしちゃうんだよね。
 飯島 農民作家の山下惣一は「農業問題で農家は困らない、困るのは労働者」と言っている。農民自身も、なぜ自ら革命に向かわざるをえないのかを語っていかなければならない。
 三条 資本主義の改良か、根本的な変革か、という問題だと思うんです。改良だったらプロレタリア革命でなくてもいいんだよね。しかし、農民にとっても根本的な変革しかないんだ。つまり資本主義の中で農業・農民問題は、いろんな形で矛盾が現れてくるんだけど、資本主義では解決できない。では農民はどうやって生きられるんですかと。根本的な解決ができない資本主義の枠内で、自分だけ何とか生きていこうと思ってやっても、遅かれ早かれ行きづまる。今日の情勢では、その条件さえない。
 だから、今日の状況では、農民層の先進的な部分がプロレタリア革命の必要性を言い切れるのかどうか、だと思う。普通の農民にどうやってプロレタリア革命の必要性を説得していくかは、もう一つ論理をつくっていかなければならない。
 大戸 全世界でゼネスト情勢だといわれているが、労働者のゼネストに農民も合流することに大きな展望を感じる。
 三条 ゼネストでは政権そのものが問題になる。個別の労働条件などではない。文字通り革命がテーマになっている。農民もゼネストに合流して闘うことが絶対に必要だ。ブルジョア政権を打倒するために、労働者と農民、あらゆる人民がともに闘う。1971年の沖縄全島ゼネストの時も一緒に闘っている。
 元々、農民は戦闘的です、闘い方は激しい。韓国では高速道路を封鎖し、フランスでは大資本の本社に押しかけ、ぶち壊している。ゼネストをともに闘う中で、農民の元来の戦闘性が発揮されると思う。ゼネストへの積極参加、労農連帯の目的意識的追求が農民自身の闘争に化学変化をつくりだすと思う。(つづく)

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