団結街道

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週刊『三里塚』02頁(0924号01面06)(2015/07/27)


団結街道


 高度経済成長期の1960年代、国は「もうかる農産品」としてみかん栽培を推奨した。しかし、オレンジ輸入自由化で減反を迫られ、1990年、栽培をあきらめたが、自ら木を伐採することはできなかった――佐賀県の農民作家・山下惣一さんが農政への批判を込めて振り返っている▼同じ九州で7月14日、福岡県豊前市のみかん園を強制収用する行政代執行が強行された。東九州道の北九州―宮崎間で未開通となっていた椎田南―豊前(7・2キロ)を通すためだ。みかん園主の岡本栄一さんは、親の代から50年近くここでみかんを栽培してきた▼1999年、みかん園が高速道建設で分断されることを知り、事業の不当性を訴えて反対運動を続けてきた。岡本さんは「みかん作りは私の命。ここで生涯みかんを作り続けたいだけ」「補償金で決着させることを繰り返しては公共事業のあり方も社会も変わらない」と語る▼背景にあるのは、「国土強靭化」を旗印に安倍政権が進める巨大道路建設だ。東九州道も「初めに建設ありき」でルートが選定され、多くの集落や民家、優良農地がつぶされて今に至る▼市東さんの農地決戦はこうした農民の怒りを体現し、「国策」=安倍政権と対決するまさに全人民の闘いだ。最高裁決戦は、真っ向から「強制収用」と対決する闘いだ。新たに提起された5万人緊急署名で、「農地強奪阻止」の強固な陣形をつくろう。
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