7・19一斉行動 最高裁5万署名訴え 〝第3滑走路誘致許さない〟

週刊『三里塚』02頁(0924号01面03)(2015/07/27)


7・19一斉行動
 最高裁5万署名訴え
 〝第3滑走路誘致許さない〟

(写真 「このすばらしい大地を騒音地獄にしてはならない」と訴える北原事務局長【7月19日 成田市川上】)

 7月19日、反対同盟の空港周辺地域一斉行動が闘われた。2013年5月以来、27回目だ。朝8時半、いつも通り市東孝雄さん宅離れに約30人が集合した。
 冒頭萩原富夫さんから、6月12日に東京高裁で不当判決が出された農地法裁判の上告審闘争について、方針が発表された。「7月12日に事務局会議を開いて闘争方針を論議しました。その結果、最高裁にむけた緊急5万人署名運動に断固取り組むことを決めました。いつ判決が下ろされるか分からないのが最高裁です。年度内ではないか、という予想もあります。判決が下りればそれは即ち、すぐ実力闘争を構えなくてはならないという緊迫した状況になります。今度の署名はそうした決戦陣形を築く運動の一環としてやりたい。そのために、大々的に賛同団体を募る方式へと拡大させていきたい」と述べられた。
 市東さんは「暑い中ですから、体にはくれぐれも注意して行動を展開していきたい。高裁段階で3万人署名をほぼ達成した。最高裁なんだから闘いは正念場です。断固たる気構えで取り組もう」と檄を発した。
 伊藤信晴さんは「農地死守の決戦陣形を築く闘いとしてがんばろう」と呼びかけた。
 石毛博道、相川勝重(芝山町長)らの「成田第3滑走路実現を目指す有志の会」は7月に設立することを表明している。下旬に設立総会が行われる、との情報も流れる中で、この策動と対決することが一斉行動の重要な目的だ。
 9時すぎ、それぞれが担当地域へ飛び出して行った。北原鉱治事務局長は、この日も辻立ち演説を行った。成田市旧大栄の川上地区で声を張り上げた。「元反対同盟員だった石毛博道らが、第3滑走路を誘致する運動を開始した。許せません。この静かなすばらしい川上地区をいっそうの騒音地獄にたたき込もうとする第3滑走路を阻止しましょう。絶対反対の声をともに上げてください」と訴えた。
 次に多古町の島部落へ。石毛らの主張する滑走路ができればここに騒音区域は拡大する。北原さんはそのことを指摘して「滑走路ができれば多くの部落は住めなくなってしまいます。今、ともに反対の声を上げてください」と呼びかけた。
 真夏の暑さの中、各支援の担当者がそれぞれ80軒、100軒、200軒と「反対同盟ニュース」第22号を配布し、アピールして歩いた。
 午後5時半、市東さん宅離れに戻って、各担当者が報告した。芝山町の東部の部落では「石毛パンフについては知らないが、第3滑走路なんていらない。結局金めあてだっぺ。ある人に連れられて国会前の行動に行って来たよ」という人がいたという。
 多古町南部の部落では元労働者という男性が第3滑走路計画について激しい批判を語っていた。
 さらにあちこちで安倍政権の戦争政策に怒りの声が上がっていることが報告された。「安倍っていうのは本当にしょうがない奴だ。戦争はだめだよ」
 伊藤さんが回った芝山町北部の部落では空港反対闘争を裏切るだけではなく、利権あさりまで始めたことに対する厳しい批判が出ていることが語られた。
 全体に、2年7カ月にもわたる周辺一斉行動の影響がじわじわと声になって出てきていることが確認され、最高裁5万人署名達成に向けて、新たなリーフレット作成に取り組むことなどを確認して1日の闘いを締めくくった。
このエントリーをはてなブックマークに追加