廃道に関する文書提出要求 成田市を追いつめる 団結街道裁判
週刊『三里塚』02頁(0923号02面05)(2015/07/13)
廃道に関する文書提出要求
成田市を追いつめる
団結街道裁判
6月26日、千葉地裁民事第3部(廣谷章雄裁判長)で団結街道裁判の弁論が開かれた。
成田市は2010年6月、天神峰の市東孝雄さんが日常的に営農で使っていた団結街道を、暴力的に封鎖・廃止し、その土地をNAAに格安で売り飛ばした。成田空港建設の過程でも、現に耕作されている農地に隣接する道路、つまり日常的に営農に利用されている道路を、一方的に廃止したなどという前例はない。
前回に弁護団が、成田空港建設関連で過去に市道を廃止した例について釈明を求めたのに対し、成田市の代理人は「回答の必要がない」という「回答」を行った。
弁護団は怒りを込めて、再度の求釈明をたたきつけた。「廃道要件を満たしたのは2010年3月19日」と市の代理人は特定したが、成田市議会がこの廃止の件を可決したのは、同3月16日だった。つまり廃道要件を満たすよりも前に、廃止を決めてしまったのだ。こんなデタラメな手続きは無効だ!
そして弁護団は、成田空港用地内の市道の廃道事例に関する契約書、鑑定書などの文書の提出を強く要求した。
裁判長は被告・市に対し、「〝耕作地に隣接する道路を廃止した前例はない〟ということについては成田市も認識に違いはないのですよね」と聞いた。今まで貝のように押し黙っていた市側の代理人は、あわててこそこそ話し合った末に「次回までに確認してきます……」と小声で答えた。
裁判長は、今度は弁護団に向かって「双方に違いがなければ、文書の提出を求める必要はないのでは?」と拙速審理の態度を示してきた。弁護団は、拙速裁判の道を許さず、被告・市への追及を容赦なく続ける姿勢を明らかにした。
裁判は次回を9月8日(火)午前10時30分と決めて閉廷した。