北総の空の下で 環境破壊で減少 ツバメの巣作り
週刊『三里塚』02頁(0920号02面07)(2015/05/25)
北総の空の下で
環境破壊で減少
ツバメの巣作り
新緑の5月、強い日差しを浴びて、日に日にローストされています。仕事の年輪を刻んだ農家のばあちゃんたちの日焼けした顔は絵になりますが、私の場合はまだまだ心身ともに中途半端だなあ……と思う、ン十歳の誕生日直前です。
5月5日、出荷作業中の萩原さんの作業場に、ツバメの夫婦がやってきました。巣作りに適した場所を物色しながら、2羽のかしましいこと! 「自由に出入りできていいんじゃないの?」「鉄骨より木や漆喰(しっくい)の方がいいよ。ここは人が多すぎるし」と、彼女の方が妥協しなかったのか、新居を構えることにはならなかったようです。ツバメが住宅地に巣を作るのは、子どもを外敵から守るためで、その家に幸運をもたらすと、人間の側でも受け入れてきました。そんな環境も徐々に失われて、ツバメの数が減っているそうです。小さな命とも当たり前に共存してきた先人たちの暮らしの中には、原発も飛行場もありませんでした。原始時代に戻れと言うつもりはないし、便利なことを全部否定するつもりもありません。でも「命と引き換えの原発はいらない」「農地と引き換えの空港はいらない」と、大声で言い続けたいと思います。
5月3日、横浜の改憲反対集会で、市東さんの農地を守る署名が1692筆も集まりました。声を掛けた人の半数以上が署名してくれました。日本中に私たちの仲間がいます。世界中に私たちの仲間がいます。
北里一枝