「市東さんの権利は盤石だ」 新やぐら裁判で更新意見

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週刊『三里塚』02頁(0920号01面02)(2015/05/25)


「市東さんの権利は盤石だ」
 新やぐら裁判で更新意見

(写真 更新意見で成田空港会社を追いつめた後、報告会を行った【5月11日 千葉市】)

 天神峰新やぐら裁判の第2回弁論が5月11日、千葉地裁民事第2部・岸日出夫裁判長により行われた。まず冒頭に、左陪席の裁判官が交代したことに伴う更新意見陳述が反対同盟側弁護団から行われた。
 新やぐら裁判は、別件の市東さん農地法裁判控訴審において、市東さんに明け渡しを求めている物件の中にある反対同盟所有の4つの工作物の収去、及び工作物が建っている底地を明け渡せ、とNAAが反対同盟を不当に提訴した裁判である。
 葉山岳夫弁護士を先頭に弁護団全員が次々と更新意見を陳述した。葉山岳夫弁護士は、本件は農地法裁判控訴審と密接な裁判であり、NAAによる旧地主からの農地取得は違憲・違法であって、反対同盟に明け渡しを請求する権限などないこと、農地の73%を取り上げることは農民の命を奪うのと同じこと、土地収用法が適用できなくなっているにもかかわらず実質的な公用収用として強行しようとしていること、耕作者・市東さんの同意がないのに秘密で賃貸借契約を解約し解約許可処分を出したことは違憲・違法であること、耕作者・市東さんの同意は絶対に必要であること、裁判所が県になり代わって農地強奪するのは許されないことでありNAAの提訴はただちに棄却すべきであること、等を全面的に陳述した。
 さらに各弁護人からも、1922年以来1世紀にわたって耕作してきた農地であり、父東市さんの徴兵先からの復員が遅れて、たまたま残存小作地となったもので本来は自作地となって当然の農地であること、市東さんの賃借権は盤石であり正当な権限に基づいて所有しており、NAAが違法に買収した後も市東さんが15年余にわたって耕作し続けてきた現実からしても農地法3条および5条違反は明らかであること等を鋭く陳述した。
 この鮮明な更新意見陳述及びその後の弁護団による追及によって裁判長も、NAAによる農地取得違反の問題を避けて通ることはできなくなった。農地取得を前提として進めようとするNAAに対して裁判長は7月末までに、NAAが農地を取得したとする農地法との関連での釈明を出すように命じざるを得なくなった。それに対する被告・反対同盟側からの反論を9月末までに出すことになった。
 裁判終了後の報告会が弁護士会館で反対同盟・伊藤信晴さんの司会で行われた。始まったばかりの本件裁判だが、今後もさらに傍聴闘争に決起する決意を打ち固めた。
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