農協つぶし法案阻止を 農民の団結破壊し家族農業を解体

週刊『三里塚』02頁(0918号02面04)(2015/04/27)


農協つぶし法案阻止を
 農民の団結破壊し家族農業を解体

(写真 農協つぶしの先頭に立つ安倍内閣の規制改革会議【2014年5月】)

 安倍政権は3日、「農協改革の関連法案」を閣議決定した。全国農業協同組合中央会(全中)の権限を解体し、農業協同組合としての農民相互の共同性を破壊し、新自由主義的な大規模企業の農業参入へ、道をつける内容だ。「2016年4月の施行をめざす」とされている。
 「改正案」では、全中が農協を指導・監査する仕組みを廃止。監査部門を独立させ新監査法人へ移行する。農協法に基づく「特別な法人」の資格を奪い、一般社団法人に移行する。
 関連法案には企業による出資制限を緩和する農地法の改正なども盛り込んだ。この農協つぶしは第一に、「戦後レジームからの脱却」と称する攻撃の重要な柱として、戦後革命と一体の農地改革(農地解放)の闘いの中から生まれた農民の互助団体としての組織の破壊である。農協は、1947年に制定された農協法に基づいて各地に結成された。それは、農地解放で作り出された自作農を守るための、さまざまな法的整備、すなわち農地法や、農業委員会制度、耕作者本位の土地改良法と一体で策定された。こうした戦後体制の重要な一環を破壊しようとする攻撃である。
 それは、安倍の戦争国家体制づくりと一体だ。侵略戦争遂行のために、憲法9条の最後的解体と並んで、農地・土地を強権的に奪えるようにする攻撃だ。
 第二に、大資本が農地を保有し、農業に全面的に参入することを狙っている。前述したように農地法を改悪し、企業による出資制限を緩和しようとしている。すでに住友化学やローソン、イオンなどが農業参入に動いている。農民から農地を奪い、農村を資本が支配していくことを狙っている。
 第三に、農協解体は農民の団結体破壊とともに、農協の「株式会社化」として進められようとしている。新自由主義の中で、農協はすでに巨大な事業グループを形成する持ち株会社のような存在になっている。農林中金の運用残高は57兆円であり、世界有数の機関投資家と言われている。
 安倍の農協解体攻撃は、農協の株式会社化の流れを促進し、農民の協同組合としての性格を奪い去り、農協のもつ金融資産を「自由競争」の名で巨大資本の餌食とするものだ。
 第四に農協の政治力をそぎ落とし、農民の政治的発言力を奪おうとする攻撃だ。その典型がTPP交渉に反対する全中への圧力である。そもそも第一次安倍内閣の時の参議院選で自民党は大敗を喫した。安倍の農業破壊政策に対して、農民が怒りの反撃を突きつけた結果だった。このように、政権に楯突く農民の決起を押しつぶそうというのが今回の農協つぶしの狙いだ。
 全国農民会議を先頭に農協法改悪を阻止しよう。
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