NAA 着陸料をダンピング 地盤沈下の危機にあえぐ
週刊『三里塚』02頁(0915号02面04)(2015/03/09)
NAA
着陸料をダンピング
地盤沈下の危機にあえぐ
(写真 「新規就航には着陸料を1年間無料にする」とのNAAの方針を報道する新聞各紙【2月27日付】)
成田空港会社(NAA)は2月26日、成田空港での新規路線開設を促す料金制度を4月から追加導入することを発表した。その内容は、国際線、国内線ともに、成田空港に初めて参入する航空会社が、従来成田にない新規の路線を開設する場合には、1年間着陸料を50%割引し、すでに2013年度から実施している着陸料の50%割引と合わせて利用すれば、結果的に無料にするというもの。
4月22日に成田就航予定のエチオピア航空のアジスアベバ線が最初の該当路線になる予定という。
また、他の航空会社がすでに就航しているが、その航空会社としては初めての路線開設には20%を割り引く。この航空会社が成田に初めて参入するエアラインなら増量割引と合わせて70%安くなる。
さらに、既存の路線や国内線の格安航空会社(LCC)の増便を促す方策も導入した。従来、国際線だけに割引を限定していたものを国内線にも対象を広げ、実施期間を2018年3月末まで2年間延長する。
地盤沈下の危機にあえぐNAAがなりふりかまわぬダンピングに出てきたということだ。同じ26日、NAAが発表した1月の航空機発着回数が前年同月比で3%減った。旅客数でも7%減、円安で外国人客は増えたものの、日本人客が羽田に奪われ17%も落ち込んだ。LCCの国内線の伸びがついに止まった。
前号で報じたように、東南アジアではLCC間の競争が激化して、値下げ競争に陥り、LCC大手が次々に赤字に転落している。日本のLCC競争も同じ構図になってきた。「安全より金もうけ」を優先するLCCにすがらなければ成り立たない成田空港。全人民の力で廃港に追いこもう。