北総の空の下で 中東に参戦するな 後藤さんの〝遺言〟

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週刊『三里塚』02頁(0914号02面05)(2015/02/23)


北総の空の下で
 中東に参戦するな
 後藤さんの〝遺言〟


 2015年、国際情勢はにわかに緊迫の度合いを増しています。安倍首相が、アメリカの一翼としてイスラム国に対する参戦を表明し、見返りに2人の命が奪われました。マスコミが執拗に報道した、拘束後の後藤さんの写真が脳裏に焼きついています。中東の子どもたちに囲まれた写真との落差に胸が痛みます。日本は欧米諸国に追随して、「テロとの闘い」「イスラム国壊滅」を国民世論にしようとしています。
 ちょっと待って! イスラム国やボコ・ハラムのような武装集団を生みだしたのは、欧米とロシアです。中東の石油権益を守るために、武器を渡して手先になる集団を育成しようとしたものの失敗したのです。イスラム教に基づくムスリム人民の生活と文化を、野蛮で非民主的だと否定し、欧米の基準を押し付けようとすれば当然反発を生みます。手に負えなくなったら空爆でたたきつぶすというのでは、まるでガキ大将の論理です。空爆は、誤爆や民衆の大量殺傷を伴います。対テロ戦争泥沼化の最大の被害者は、中東に住む人びとと、世界に散らばるムスリム人民なのです。中東をめぐる私の知識の大半は、実は人質事件後に仕入れたものです。空爆下の中東の現実を発信してきた後藤さんが、命に代えて「日本は中東に参戦するな! 次の犠牲者をだすな! 中東の民衆を殺すな!」と教えてくれました。
 反戦の砦・三里塚は、安倍政権の暴走を止める闘いの先頭に立ちます。
北里一枝
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