アジアのLCC赤字転落 マレーシア沖など事故頻発
週刊『三里塚』02頁(0914号02面03)(2015/02/23)
アジアのLCC赤字転落
マレーシア沖など事故頻発
(写真 東南アジアLCC各社が軒並み赤字に転落したことを報じる新聞【2月6日付 日経】)
2月6日の日本経済新聞によれば、東南アジアでもてはやされてきた格安航空(LCC)の経営が軒並み危機に陥っていることが分かった。
東南アジアのLCC大手5社が軒並み赤字ないし減益に転落したのだ。14年7〜9月の最終損益で、マレーシア沖の墜落事故で155人の犠牲者を出した最大手エアアジア航空が85%減益の1億7700万円。タイにおけるその子会社エアアジアXも69億5800万円の赤字。
さらにシンガポールのタイガーエアも159億1500万円の赤字、フィリピンのセブ・パシフィックが29億2400万円の赤字、そしてタイのノックエアが13億4100万円の赤字を計上した。
このため、欠航があいついだ。セブ・パシフィック航空は昨年12月24日から26日のクリスマス休暇3日間に20便が欠航し300便近くが遅延した。タイガーエアは海外路線から撤退した。理由は激しい過当競争で運賃が下がって利益が出ず、パイロットや職員を確保できなくなったためだ。
一方で安全の崩壊も進行している。昨年末のマレーシア沖事故は、LCCの優等生とされてきた前記のエアアジア航空の安全軽視が原因だった。さらに2月4日に起きた台湾の復興(トランスアジア)航空機の墜落事故もLCCだ。LCCの安全無視が露骨だ。
この「人の命より金もうけを優先するLCC」に延命を託しているのが成田空港だ。「この4月にLCC専用ターミナルが完成する」とキャンペーンに大わらわだが、その実態は以上のとおり。成田の未来は真っ暗だ。