第3誘導路裁判 「飛行差し止めを」 騒音調査を基に要求
週刊『三里塚』02頁(0909号02面04)(2014/12/08)
第3誘導路裁判
「飛行差し止めを」
騒音調査を基に要求
(写真 第3誘導路裁判弁論の後の報告会【12月1日 千葉市】)
第3誘導路裁判が12月1日に千葉地裁民事第3部(廣谷章雄裁判長)で行われた。今回も前回に引き続いて、成田空港がもたらす住民への騒音被害と騒音が人体に与える影響等についての陳述を行った。
昨年末、反対同盟が行った市東さん宅周辺での暫定滑走路離着陸時や第3誘導路走行時の騒音調査に基づいて松井利仁教授(北海道大学)が行った分析により、成田空港の騒音と健康被害状況が明らかにされた。
今回の準備書面で松井教授は、騒音被害の判断にあたっては1999年に発表されたWHOの「環境騒音のガイドライン」及び2009年に発表されたWHOの「欧州夜間騒音ガイドライン」を用いるべきであることを主張している。
このWHOの基準は厚木基地爆音訴訟及び厚木基地航空機運航差し止め訴訟判決における違法性の判断基準として全面的に採用された。このWHOの基準から判断すれば成田空港の騒音は、住民の健康に対する悪影響が心配される航空機騒音の基準をはるかに逸脱している。
とくに夜間騒音(午後10時から午前7時まで)が人体に与える影響では、厚木騒音被害のなんと10倍以上にもなるという。
また、厚木基地ですら自衛隊機の夜間飛行差し止めを認めたことからすれば、成田空港においても、最低でも夜間飛行はただちに差し止めるべきである。
飛行差し止めに関しては、次回にさらに詳しい補充書を提出する。なお、暫定滑走路が南側、北側いずれも立木・屋敷林が進入表面を突き出しており国際民間航空条約(シカゴ条約)の安全基準に違反している問題に対してNAAは、「国内法的には拘束力はなく従う義務もなく、仮に適合しない部分があるとしてもただちに違法となるものではない」などと開き直っている。
国際的な安全基準に違反してもそれに従う必要がないというNAAの主張は、安全を無視してかまわないという公式見解だ。さらに徹底追及しよう。