セウォル号事件 〝貪欲な資本と国が虐殺〟 民主労総が朴政権を追及
週刊『三里塚』02頁(0908号02面04)(2014/11/24)
セウォル号事件
〝貪欲な資本と国が虐殺〟
民主労総が朴政権を追及
(写真 ソウル市内の大統領府近くに座り込んで抗議するセウォル号犠牲者の家族ら【5月9日】)
11・2労働者集会で韓国・民主労総ソウル地域本部副本部長のイヒョンチョルさんは、発言の冒頭「300人を超える無辜(むこ)の生命が海の中に沈んでいます」と深い悲しみを込めて述べ、セウォル号沈没事故は「資本の貪欲(どんよく)が生んだ人災だ」と怒りを表明した。
ここでは、セウォル号事故が韓国社会にもっている意味の大きさを紹介し、民主労総の闘いの意義を明らかにしていく。 セウォル号事故は、韓国の「3・11」だ。民主労総は4月16日のセウォル号事故の直後から、「命よりの金」の新自由主義による資本と国がもたらした虐殺だとの声明を発し、原因は外注化と非正規職化であり、最大の責任者パククネ大統領を徹底追及することを呼びかけた。
さらに、10月22日に「セウォル号惨事の徹底した真相究明を要求するソウル街頭行進」を行い、11月1日にはソウル大行動を展開し、9日の労働者大会でもパク政権の責任を徹底的に追及する闘いを強化することを宣言した。
韓国セウォル号沈没事故の核心は何か。パククネは、殺人罪で逮捕した船長や航海士に責任をなすりつけているが、事故の詳細が明らかになればなるほど、資本の利潤獲得・安全無視が原因であり、新自由主義の市場原理が労働者の生存、安全と相いれないこと、国家の犯罪をまざまざと見せつけている。
セウォル号は、濃霧のため他のすべての船が出港を中止する中、運航会社(清海鎭海運)が無理な出港を決定、遅れを取り戻すために本来の航路を外れ、ほぼ全速の19㌩で航行中に船が傾き、積み荷が崩れて船体が横転し、沈没した。積載貨物量は基準の3・6倍もの過積載。事故当日は、出港の遅れによって、操舵したのは最も経験の浅い、入社4カ月の25歳の女性3等航海士だった。そもそもセウォル号の乗組員15人のうち、船長と操舵手3人を含む9人が非正規職(6カ月〜1年の短期契約)だった。
300人を超す犠牲者の遺族の怒りと新自由主義と闘う労働者階級の怒りが結合してパク政権を追いつめている。
セウォル号の事故は、この間のJR北海道の相次ぐ事故や川崎駅脱線転覆事故と同様、新自由主義そのものの破産である。動労千葉が確立してきた反合・運転保安闘争こそが労働者と乗客の安全を守り、団結を作り出すことができる。動労総連合を全国で組織し、闘う労働組合の拠点建設と日韓国際連帯で、破産した新自由主義にとどめを刺そう。