10・19 反対同盟が18回目の一斉行動 周辺住民との連帯深まる 〝第3滑走路は言語道断〟 安倍政権へ怒りの声も

週刊『三里塚』02頁(0906号01面01)(2014/10/27)


10・19 反対同盟が18回目の一斉行動
 周辺住民との連帯深まる
 〝第3滑走路は言語道断〟
 安倍政権へ怒りの声も

(写真 朝の打ち合わせで支援連を激励する市東孝雄さん【10月19日 成田市天神峰=中央奥】)

(写真 第3滑走路予定地に想定される成田市川上の夜番地区で辻立ち演説をする北原事務局長【10月19日】)


 10月19日、反対同盟と三里塚闘争支援連絡会議は、第18回目の周辺地域一斉行動に立ち上がった。北原事務局長は辻立ち演説を行う一方、支持者宅を訪れ懇談した。今回も成田市〜芝山町〜多古町の広い地域を約30人が『反対同盟ニュース』を携えて宣伝を行った。確実に住民との連携が広がっている。住民の中から安倍政権批判の声が上がるようになってきた。「第3滑走路計画」への批判も浸透し、行政の側が「説明会」で対抗せざるをえない状況も切り開かれている。この力で動労千葉、動労水戸を先頭とした11・2全国労働者集会へ前進しよう。

市東さん3万人署名やりぬこう

 10月19日、反対同盟と三里塚闘争支援連絡会議は、第18回目の成田空港周辺地域での一斉行動に立ち上がった。
 この日も午前8時30分に天神峰の市東さん宅離れに総勢30人近くが集合し、準備と打ち合わせを行った。今回配布する『反対同盟ニュース』第13号では、10・8農地裁判控訴審闘争、10・12全国集会を報告し、さらに「第3滑走路計画」推進のためのNAA元社長・黒野匡彦(まさひこ)の成田市での講演会を弾劾した記事、空港や安倍政権への住民の怒りの声などが載っている。
 市東孝雄さんと萩原富夫さんが、集合した一同を激励した。市東さんは「第3滑走路問題ではわれわれが一歩先んじている。さらに地域の人とつながろう」と檄を飛ばした。萩原さんは「10月8日、10月12日とご苦労さまでした。今日も断固地域に入っていこう」と呼びかけた。
 さっそく全員が担当地域へと向かった。北は旧下総町の西大須賀、滑川から南は芝山町の上吹入や宮崎地区まで。東は多古町から西は芝山町高田地区まで広大な地域へ『同盟ニュース』を携えて宣伝し、署名を訴える。 また、話ができる信頼関係のある家では市東さんの農地取り上げに反対する会が11月29日に成田市成田公民館で計画しているシンポジウムへの参加を呼びかけることも確認された。
 市東さんら事務局員は残って事務局会議。10・8弁論闘争、10・12全国集会の総括と今後の闘争方針、市東さんの農地を守る3万人署名運動の展開について論議した。
 北原鉱治事務局長は宣伝カーに乗り込み、第3滑走路計画によって立ち退きや騒音被害を強制される地域を回り、成田市の川上、西大須賀の2カ所でスポット演説を行った。「巨大滑走路が造られたら、みなさんの生活はとんでもない被害を受けるというのに、まともな説明が一つも行われていない。48年前の閣議決定と同じ暴挙を許すことはできません。反対同盟とともに絶対反対の声を上げましょう」
 さらに北原さんは三里塚現闘とともに地域を歩いて一軒ずつ訪ねてあいさつし、交流を深めた。 労働者のAさんのお宅では、庭で採れた柿とお茶で温かく歓迎された。「71年の強制代執行の時には組合動員で現地集会に参加した」と昔話に花が咲き、「空港ができる前は、ここは本当に静かなところだった。今、騒音などに怒りを感じながらなかなか声を上げられない人も多い」と語り、反対同盟の奮闘に期待を寄せた。

批判噴き上がる

 自営業のBさんは、萩原進事務局次長の著書『農地収奪を阻む』を読んでいて、その感想を語ってくれた。「学者が難しく書いた言葉ではなく、この方の体験に基づいて分かりやすく書かれていたので、私にも読めた。私も成田市営グランドの時(注)は催涙ガスにやられながら、学生に投石の石を渡していた。著者は亡くなられたとのことで残念。ご家族にはいつかごあいさつしたい」
 この日回った全員が、住民との真剣な対話を重ね、交流を深めた。

焦り始めた成田市

 夕方に再度市東さん宅離れに集合し、報告・集約を行った。その中で、反対同盟がいち早く第3滑走路建設計画などを暴露し、批判を繰り返してきたことが、大きな影響を与えていることがこもごも報告された。
 「第3滑走路計画」について、『反対同盟ニュース』で初めて知った人が多いことが明らかになった。その結果、住民の怒りと不安が増大し、第3滑走路への批判が噴き上がった。
 この現実を無視できず、成田市等地元市町が「説明会」を開く地区が出始めたことも分かった。まさに「われわれが空港を追いつめている」という手応えを感じた一日だった。また、米価の激しい下落や後継者難など、農業・農民切り捨てに対する怒りが高まっていることが報告された。
 最後に萩原富夫さんが、3月の農地裁判控訴審第4回弁論に向け、農地取り上げ反対署名を3万人の目標に向けてさらに強力に推し進めることを訴えて、一日の闘いを締めくくった。次回は11月16日に決まった。

※1968年2月26日、反対同盟に連帯して全学連が機動隊に対する実力闘争に立ち上がった成田市営グランドでの集会。

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