団結街道

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週刊『三里塚』02頁(0905号01面06)(2014/10/13)


団結街道


 東京高裁第19民事部の小林昭彦裁判長は、証拠として提出された市東さんの畑の土に触れて「いい土ですね」と賞賛した。たしかに精魂込めて作り上げた市東さんの土には、万人を納得させる手ざわりがある。それでも裁判官たちに「何がわかるというのか」とツッコミたくもなる▼だが、小林裁判長に限ったことでもあるまい。皆さんは普段、どれだけ土に触れているだろうか。大地の恵みを実感する機会があるだろうか。土から切り離された生活を強いられてはいないだろうか▼裁判の陳述で市東さんは語った。「農地は耕し続けてこそ農地です。有機の土壌は、生きた農地です」「祖父の代に開墾し、父から私が引き継いで、一年に何センチもできない土作りを続けて、やっとここまできたのです」と▼こうした土で作られるホンモノの野菜をこそ食べてほしい。だが産直野菜の消費者会員の募集をすると、非正規・低賃金・長時間労働で野菜を調理する時間もままならない若者の現実にぶち当たる▼かたや、植物工場が急速に増えている。いまや、国内の工場の数は400カ所近い。「最先端の科学技術を使い、おいしくて安全で効率が良い」という宣伝は金もうけ主義による〝厚化粧〟だ。コスト高や種類の制限などさまざまな問題点が指摘されている▼あらためて新自由主義への怒りがわいてくる。農地を守る闘いと新自由主義打倒はひとつながりだ。
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