ピンスポット 成田路線の維持、航空会社に強制 国交省の〝行政指導〟に 英航空当局が抗議
週刊『三里塚』02頁(0905号01面05)(2014/10/13)
ピンスポット
成田路線の維持、航空会社に強制
国交省の〝行政指導〟に
英航空当局が抗議
羽田空港の国際線が6万回から9万回に増便されたのが今年の3月30日。成田から羽田への国際線のシフトが週63便にも及び、〝成田の地盤沈下〟が鮮明となったが、実態はそれ以上であることがマスコミ報道(10月3日付日経=写真)で分かった。
国土交通省は、成田の沈下を少しでも抑えるため、「成田縛り」と呼ばれるでたらめな行政指導を行っていたことが暴露されたのだ。その内容は羽田の昼間時間帯に欧州便、アジア便を新設した場合には同じ国へ飛ぶ成田路線を維持するよう、行政指導という形で要求していた。
法的拘束力はないが、実質的な許認可権限を保持している国交省に逆える航空会社はいない。「暗黙の強制だった」と関係者は語る。当然、不満は噴出寸前になっていた。そこへ9月上旬、イギリスの航空当局からこの「成田縛り」に〝抗議〟する書簡が届いたという。「全日空の羽田―ロンドン線についてこれ以上の運航は認めない」という内容だが、これは全日空の路線を〝人質〟にとって「成田縛りの解除」を求める圧力だという。
国交省の保護に頼らなければ生きられない成田の未来は絶望だ。