団結街道
週刊『三里塚』02頁(0901号01面06)(2014/08/11)
団結街道
「俺たちのことを『なんでも反対しているだけだ』と言う人がいる」と市東さんが言った。三里塚に限らずとも、たしかに世の中は「反対」ばかり。戦争反対、原発反対、TPP反対、首切り反対……。当然ではないか。今の安倍政治に賛成できるものなどあるだろうか。むしろ「絶対反対」として貫けるかどうかだ▼「反対」を貫くことが権力の圧政に抗し、人民の利益を貫く道だ。反対同盟の「空港絶対反対」「一切の話し合い拒否」も国家権力と闘い抜く中から生まれてきた原則だ▼この「話し合い拒否」の原則から、見過ごせない本がある。昨年末に出版された「ノーサイド成田闘争」(桑折勇一著)だ。この中である社会党活動家についてふれ、この活動家が何度も反対同盟と政府の話し合いの場をつくろうとしたことがあけすけに語られ、実を結ばなかったことを惜しんでいる▼政府や空港会社の言う「話し合い」とは、あくまでも空港建設に賛成させるための陰謀であり、反対同盟や地元住民のためになることなどあり得ない。原則を貫いたがゆえに今日の反対同盟がある▼筆者は元朝日新聞の成田支局長で、1990年代に反対運動の幕引きをあおる記事を書いてきた人物だ。しかし、半世紀に及ぶ三里塚闘争は、このような人物の暗躍を打ち砕き、勝利を重ねてきた歴史だ。空港間競争で敗勢に陥る成田の危機を救うことなど誰にもできない。