8・10 第3滑走路反対一斉行動 周辺住民の声が続々 〝7・13デモの勢いすごかった〟 北原事務局長渾身の訴え 10・8(控訴審 )〜10・12(全国集会)へ

週刊『三里塚』02頁(0901号01面01)(2014/08/11)


8・10 第3滑走路反対一斉行動
 周辺住民の声が続々
 〝7・13デモの勢いすごかった〟
 北原事務局長渾身の訴え
 10・8(控訴審 )〜10・12(全国集会)へ

(写真 7月13日にデモを行った成田市川上地区で演説を行う北原事務局長【8月10日】)
(写真 成田市川上地区の農家を訪問する宮本麻子さん【8月10日】)


 8月10日、反対同盟は第16回目の周辺一斉行動に取り組んだ。7月13日の周辺地域デモを受けて、住民の注目度は上がり連帯の輪を大きく広げた。また、耕作権裁判における7月16日の東京高裁の成田空港会社(NAA)への文書提出命令は彼らを決定的に追いつめている。NAAが行った高裁「許可抗告」も棄却の公算大だ。この二つの勝利的前進をテコに反対同盟は、新たに着任した小林昭彦裁判長と対決し、10・8市東さん裁判控訴審第3回弁論〜10・12三里塚全国集会の成功へ新たな決意で進撃を開始した。8月11日に新しいカラーリーフレットもできあがった。8・17日比谷集会の歴史的成功から9・11国労郡山支部の外注化阻止闘争に突き進もう。その勝利の上に11月労働者集会の勝利をかちとろう。3万人署名を貫徹し、10・8〜10・12へ。

3万人署名達成に全力あげよう

 8月10日、反対同盟と支援は第16回目の周辺一斉行動に立った。台風11号の直撃が懸念される中、反対同盟事務局は「弱雨なら決行する」との積極方針で臨んだ。結果的には台風が予想コースより北にそれて、弱雨の後、午前10時ころには曇りに変わり、時折太陽も顔を出す「一斉行動日和」となった。
 朝9時、いつもの通り、成田市天神峰の市東さんの離れに25人が集合して打ち合わせを行った。市東孝雄さんが「最近、国主導の動きが激しい。また、『何でも反対』を非難する声が強くなってきた。沖縄の仲井真知事も『大の大人が何でも反対ではダメ』などと選挙に出馬表明したが、三里塚は、安倍政権が何と言おうとあくまで絶対反対だ」と語り、「今日一日全力でがんばろう」と檄を飛ばした。
 萩原富夫さんも「まだ雨が降っているけど、断固やりましょう」と呼びかけた。支援からは「この間、午後は千葉での市東さん署名集めに出かけて行った結果、じっくり周辺を回れていない。今日は1日をかけて話し込もう」との発言。
 北原鉱治事務局長は、この日も「辻説法」を行った。数日前から「10日の一斉行動にむけて辻説法できるように体を鍛えておく」と気合十分。
 まず、7月13日に初めてのデモを行った成田市川上地区(旧大栄町)でマイクを握った。「先日はお騒がせしました。反対同盟は48年たっても住民無視を繰り返すNAAを許せません。第3滑走路について、皆さんに何の話もなく進めようとしている。ともに声を上げましょう」と呼びかけた。
 反対同盟の宮本麻子さんは「反対同盟ニュース11号」の配布で同地域を回った。そこで、「北原さんがさっき演説をしていたよ」などの声があった。また他にも「7月13日のデモは大勢なのでびっくりした」「反対同盟の勢いはすごい」などの感想が何軒からも寄せられた。
 「ニュース11号」は初めて、北原事務局長と市東孝雄さんの訴えをそれぞれ1面ずつ使って掲載した。北原さんが辻説法する写真を見た住民(芝山町高田地区)は「93歳なのに元気そうだね。頑張っているね、たいしたもんだ」と反対同盟への期待感を語った。また芝山町同地区の住民は市東孝雄さんが「天神峰で農業を生きがいにし人と繋がっていきたい」との訴えを熱心に読んでくれた。

「反対同盟に入りたいくらい」

 伊藤信晴さんは、芝山町の町議会議員たちに第3滑走路への思いを聞いて回った。「芝山町としては様子見だ」としつつも「住民を無視して24時間化するようなことがあれば、おれも反対同盟に入りたいくらいだ」などと語る議員もいた。
 この他、旧下総町、旧大栄町などでも、市東さんの控訴審向けの署名を何人もの人がしてくれた。また、安倍政権への怒り、戦争への危機感を語る人が相次いだ。
 夕方に再び全員が市東さん宅離れに集合し、一日の活動を集約した。市東さんは「空港によって成田・芝山の住民の生活は全然よくなっていない。そして第3滑走路問題が出てきて、多くの住民が自分の問題として受けとめ、危機感を覚えている。毎回大変だけど、この一斉行動の大きな意義を確認して、これからも地道にやっていこう」と訴えた。
 最後に伊藤信晴さんが、東京高裁第19民事部での市東さん農地裁判控訴審で、貝阿彌(かいあみ)誠裁判長から小林昭彦裁判長に交代したことを報告した。小林裁判長は仙台地方裁判所所長からの異動で、検事出向3回・計13年という経歴が目立つ。伊藤さんは、「気を緩めることなく次回10月8日の農地裁判控訴審弁論に臨み、早期結審策動を粉砕し、続く10・12三里塚全国総決起集会に全力で結集しよう」と訴えて、次回9月14日に次の一斉行動を行うことを確認してこの日の行動をしめくくった。

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