北総の空の下で 闘いと農作業の間 梅雨前が大事
週刊『三里塚』02頁(0897号02面06)(2014/06/09)
北総の空の下で
闘いと農作業の間
梅雨前が大事
強い日差しとからっとした風、1年を通して一番日暮れの遅い梅雨前の一時期に、どれだけ仕事を進められるかが、その後の収穫を大きく左右します。
ねぎ苗とトマトの移植、落花生の種まきを終えて、さつま芋の苗植えへと続く頃には、キュウリ、ズッキーニ、インゲンの収穫が最盛期を迎え、ナス、ピーマンが実をつけ始めます。
雑草も、小さいうちに鎌や小型耕運機で表土を引っかいてこまめに取っておかないと、あっという間に作物の成長を追い越して繁茂しかねません。
市東さんも萩原さんも、裁判や闘争の予定を考慮しながら、農作業の段取りに気をめぐらせ、寸暇を惜しんで働く毎日です。
今年は、数年ぶりにそら豆が豊作です。つやつやした黄緑の実に黒い線が入り、皮が茶色掛かってくると収穫のサインです。実が付く頃にアブラムシの集中砲火を受けて、わずかな収量しかない年が続いたので、豊作の喜びもひとしおです。熟したそら豆は、ほくほく感と甘みがあって美味です。初物を味わいながら、喜んでくれる産直会員の皆さんの顔を思い浮かべるのは、農家にとってうれしいひと時です。
生きるために必要な物、喜ばれるものではなく、もうかる物を生産の基準にする資本主義は、労働者と農民から生産の喜びを奪って肥え太ってきました。住民に犠牲を強いる空港や原発はその象徴です。私たちは、原発とも成田空港とも共存できません。 北里一枝