団結街道
週刊『三里塚』02頁(0897号01面04)(2014/06/09)
団結街道
夕刻、成田空港の上空を見上げると、2機、3機と連なる着陸機のライトが目に入る。間隔の短さは少なからず恐怖を抱かせ、騒音下の住民には心安らぐ暇(いとま)を与えない▼だが、机上の計算にいそしむ連中は、そんな痛みなど眼中にないのだろう。5月27日、一般財団法人「運輸政策研究機構」の研究報告会で、第3滑走路について3つの案が提示されたという(2面に記事)。なによりこれが許しがたいが、報告では第3滑走路案の前に、現行滑走路の運用改善による最大処理能力引き上げを試算している▼「同時離陸監視装置」や「高速離脱誘導路」の再編整備で、1時間あたりの発着を現行の64回から72回に引き上げ、年間発着回数34万回を実現できると推計している。さらに、離陸機順序入れ替えや離陸間隔短縮などで1時間あたり84回、年間約41万回まで可能だというのだ▼JR尼崎事故にみられるように、無理な運行は必ず事故を引き起こす。これらの運用が部分的にでもなされれば、極限的な滑走路使用がどれほどパイロットに負担をおわせ、事故の危険を増すことだろうか。そして、これでも足りないから第3滑走路だという。だが、必死に需要をつくり、やっと年間発着回数23万回が現実ではないか▼ちなみに「運輸政策研究機構」の会長は、あの謝罪発言で有名な元成田空港会社社長・黒野匡彦だ。断じて許せない。