敷地内・天神峰 市東孝雄さんに聞く 署名達成へ力貸してほしい 6・25控訴審 全力で東京高裁へ
敷地内・天神峰 市東孝雄さんに聞く
署名達成へ力貸してほしい
6・25控訴審 全力で東京高裁へ
三里塚反対同盟は5月25日、「第3滑走路」攻撃への反撃と、市東さん3万人署名の前進を期して、第13回目の周辺一斉行動に立ち大きな成果を上げた。日帝・安倍政権=国交省は、第3滑走路にむけた攻撃をいっそう激化させている。国交省の外郭団体が同滑走路計画の具体案3つを提示し、キャンペーンを開始したのだ。市東さんの農地決戦を最先端とする三里塚決戦は、安倍政権と真っ向から激突し、2010年代中期階級決戦の一翼を担う闘いとして前進しつつある。闘いの先頭に立つ天神峰・市東孝雄さんに、決意を語って頂いた。
――6月25日の第2回弁論が近づいてきました。気持ちはどうですか。
市東 3月26日の弁論の時に見た貝阿彌(かいあみ)裁判長の印象は、つかみどころがない、という感じだった。弁護団との折衝では、その正体を見せ始めている気がする。
――前回、終わらなかった弁護団の3人の陳述をどの程度まで認めるかが、5月13日の進行協議の焦点だったわけですが。
市東 弁護側は一人30分、合計1時間30分を要求したのに対して、3人で30分という線を譲らなかったと聞いている。早期結審、強引な訴訟指揮という、貝阿彌裁判長の地金が見え始めてきた。
その一方で、おやじ(故東市さん)に秘密にしての農地の買収の問題や、土地収用法の事業認定が失効した農地を農地法を使って奪う、このデタラメなどについて、論議にはなっていると聞いている。あと2週間余り、弁護団の先生方に奮闘してもらうと共に、こっちは原告席に陣取って、貝阿彌裁判長をにらみつける。そして法廷外の闘い、特に3万人を目指した署名運動の力で、裁判長に迫っていきたい。
――3月26日に8019筆を提出した後の積み上げが課題です。
市東 〝一発結審〟(最初の弁論で結審、次回を判決日にすること)で有名とされてきた貝阿彌裁判長が、弁論の最初から次回期日を決めたので、ちょっと驚いた。〝1発結審〟がなくなったということになったから、みんな少し安心しちゃって、動きが鈍くなったんじゃないかな。
それと、成田空港会社側が仮執行宣言付き判決を要求しなかったこともある。それも含めて、少し時間的余裕ができたかのような錯覚があるのかもしれない。
――でも、市東さんが置かれている厳しい状況と向き合えば、「時間の余裕がある」などという悠長なことは言ってられませんよ。
市東 そう考えてほしい。時間的余裕なんてあってないようなものだよね。私の営農と生活が、国土交通省と成田空港会社そして裁判所によってめちゃくちゃにされる、こんな仕打ちをどうしてされなくてはならないのか。腸(はらわた)の煮えくりかえる思いです。
あらためて、全国のみなさんに「力を貸してください」と訴えたい。6月25日の第2回目の署名提出日までに何としても1万5千筆の数を集めたいと思います。でないと貝阿彌裁判長に足元を見られる。
あの裁判長は裁判所の周辺でのビラまきや宣伝活動をすごく気にしているらしい。だから、署名の積み上げは必ず力になると思っています。
事務局体制が軌道に
――先週の萩原富夫さんのインタビューでも聞いたのですが、進さんが亡くなった後の反対同盟はどうでしょうか。
市東 何と言っても大黒柱だった進さんを失った打撃は大きい。私も本当にショックだった。しかし、現実に控訴審の第1回弁論が迫り、待ったなしの攻防に入っていく中で、同盟の体制、主に事務局体制だけど、固まっていった。やはり「みんなで相談して」というスタイルがすごくいい方向に回っていると思う。「みんなで話し合う」というのは不思議なものでいい知恵がどんどん出てくるんだよね。
話し合いに加わるということは、その人が集まりで決めることに参加するということだから、他人事ではすまなくなる。提案があれば、議論してそれを自分自身も参加して決めていくということだから、やりきることの責任も出てくる。そこがいいんじゃないかな。
――さらに安倍政権は「第3滑走路計画」まで、言い出しました。
市東 「第3滑走路実現する会」の設立総会を弾劾した4月30日の闘いはとてもインパクトがあった。「第3滑走路」は普通に考えれば現実味がない話なんだけど、「甘く見ないようにしよう」と話しあっている。
実際、今の安倍政権を見ていると必死だから、今までの尺度で考えていたら足元をすくわれる。秘密保護法の問題から始まって、原発の再稼働、残業代を払わない法案、集団的自衛権の解禁、農協や農業委員会つぶし、TPP......。その中に第3滑走路の問題もある。兜の緒を締めて取り組んでいく。私の裁判の闘いを拡大することもこの第3滑走路計画への反撃になると思う。
――ありがとうございました。私たちも全力で3万人署名に取り組み、第3滑走路の攻撃と対決していきます。
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市東さんの農地を守れ
6・25控訴審闘争
● 6月25日(水)午後3時
● 東京高等裁判所 102号法廷
★10時30分 東京高裁前集合・リレートーク
★正午 日比谷公園 霞門前から高裁包囲デモに出発
≪三里塚闘争裁判≫
● 6月9日(月)第3誘導路裁判
午前10時30分 千葉地裁
● 7月8日(火)団結街道裁判
午前10時30分 千葉地裁
● 7月24日(木)鈴木一坪裁判
午前10時30分 千葉地裁
● 9月2日(火)天神峰やぐら裁判
午前10時30分 千葉地裁