団結街道
週刊『三里塚』02頁(0896号01面06)(2014/05/26)
団結街道
先日、足を痛めて近在某病院の夜間救急診療を受けた知人の話を聞いた。混みあう待合室では、重篤患者の家族があわただしく行き来し、ムカデに足指をかまれた男性が苦痛に顔をしかめる。当の知人は1時間半待ちにしびれを切らしつつ、長時間労働を強いられる医師や看護師の姿を目の当たりにしたそうだ▼その某病院からわずか車で2分のところに、「大学設置計画」と看板が掲げられた空き地がある。先ごろ医療特区に選ばれた成田市が、大学医学部を誘致しようとしている場所だ▼なぜ成田市が医療特区なのか? 成田市は、「成田国際空港を活用した世界に通用する国際医療学園都市を実現する」と称して、大学、病院、製薬・医療機器メーカーなどさまざまな医療関係機関を集積させようとしている。これが、原発・鉄道輸出と並んで「医療のパッケージ輸出」を狙う安倍政権の成長戦略と一致するというわけだ▼「医療分野の貿易赤字を解消」「医療分野の競争力強化を通して、日本再興戦略へ貢献」とうたっているのだから、文字通り金もうけの医療だ。成田空港と医療ツーリズムを結びつけることもねらっているだろう▼特区として、成田市は農地法による土地利用規制の緩和も求めている。地域医療の破壊、農地の強奪、まさにTPPの先取りではないか。「空港反対、農地取り上げ阻止」は、ますます安倍政権打倒の最前線になった。