団結街道
週刊『三里塚』02頁(0892号01面06)(2014/03/24)
団結街道
3月18日、関東地方で春一番が吹いた。春の到来を告げ知らせるものだが、ここ北総大地では畑の土が舞い上がり、強烈な赤っ風となる。ありがたいものではない。農作業中は眼を開けるのもままならない▼風速20メートルを超す大風は当然にも成田空港の離着陸に影響する。この日の空港を映したニュースは、死者が出た5年前のフェデックス事故を彷彿とさせるもので、ぞっとした。着陸機の機体は大きく左右に揺れ、2度3度とバウンドしてようやく着陸する。風の強いこの地域に空港など、やはり無理があるのだと実感する▼この悪天候による遅れから、この日も深夜23時台の運航が行われた。地元の反対を押し切って、深夜の飛行制限緩和を強行してからちょうど1年になる。制限緩和の「やむを得ない場合」には玉突き遅延が記されている。少ない機体を一日何度も往復させるLCC拡大が主たる目的なのは明らかだった▼事実、3月21日までのこの1年で58回の制限緩和運航が行われたが、そのうち35回が悪天候などを理由とした玉突き遅延だ。機体を使い回し、何か事があれば玉突きで遅れてしまうような無理な運航は、LCCに限ったことではない▼常に危険と隣り合わせで無理やり運航しているのが成田の実態なのだ。成田空港が競争で生き残るために、深夜飛行を常態化させ、さらなる空港拡張を策することなど断じて許すわけにはいかない。