成田の〝沈下〟明白 ビジネスジェット機が半減

週刊『三里塚』02頁(0891号02面03)(2014/03/10)


 成田の〝沈下〟明白
 ビジネスジェット機が半減


 空港間競争で敗勢に陥る成田空港の地盤沈下が深刻だ。2月21日、成田空港会社が収益源の1つに位置づけてきたビジネスジェット機の誘致合戦でも羽田に大きく後れをとっていることが報道された。
 昨年、成田に飛来したビジネスジェット機の発着回数は784回。2010年の1455回から半減した。その分羽田発着が増えている。都心に近い羽田は前年より28・5%増の2303回。増加率は成田の2倍。
 2010年に羽田が再国際化するまでは成田発着が羽田を上回っていた。2010年は成田が1455回、羽田が1049回だったのが、翌11年には成田563回の6割減だったのに、羽田は1956回に倍増。12年3月末に1億5千万円をかけて専用ターミナルを整備したが効果なし。
 「時間を金で買う」と言われるビジネスジェット機の利用者が、都心に近い羽田を選ぶのは当然の行動だ。都心から70㌔も離れた成田に離着陸するのでは、わざわざビジネスジェット機で海外から飛んできた意味は半減する。
迫る羽田の増枠
 その上で、3月30日から羽田の国際線枠が3万回増えることの深刻な影響が、時期が迫るにつれていよいよ明らかになってきた。
 羽田では、旅行会社、ホテル、商業施設、レンタカー店などが、軒並み営業拡大策を打ち出し、ミニバブル状態となっていることも報道された(2月23日)。JTBは2014年度上半期のパック旅行コース数を2・2倍の170に増やし、全日空の子会社ANAセールスは3倍の132に増やして、新規顧客を狙うという。
 昨年末、NAAの夏目誠社長は「羽田の発着枠増加の影響はある」と認めていたが、その打撃は想定以上となることはまちがいない。商工会議所など、経済利権団体の焦りも極点に達しているが、農民圧殺の上に成り立つ成田空港に未来はない。
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