3本目の滑走路許すな 国交省に 県経済同友会等が求める
週刊『三里塚』02頁(0888号01面04)(2014/01/27)
3本目の滑走路許すな
国交省に 県経済同友会等が求める
(写真 千葉県経済同友会などによる「賀詞交換会」。この1週間後に国交省に陳情に行った【1月7日 千葉市】)
千葉県経済同友会と成田商工会議所など経済利権6団体は1月15日、国土交通省に対し、成田空港に3本目の滑走路の建設を検討するよう要望書を提出した。これには前二者の他、県経済協議会、県経営者協会、成田市観光協会、成田空港対策協議会が加わっている。
国土交通省は昨年11月1日、羽田や成田など首都圏空港の中長期的な発着枠の拡大に向けた有識者委員会(首都圏空港機能強化技術検討小委員会)なるものを立ち上げ検討を始めた。その議論の取りまとめが3月末に迫っている。今回の地元経済団体の「陳情」は、東京オリンピックをも口実にして、「成田空港の3本目の滑走路を建設する計画も委員会の検討項目に加えて欲しい」というものだ。
騒音をまき散らす内陸空港の根本的矛盾をほおかむりして、「3本目の滑走路」を要求するなど言語道断で許されない。 経済団体関係者は、「4000㍍滑走路、2500㍍滑走路と平行する場所を想定している」と語っているが、まったく新たな空港計画に等しい膨大な用地の取得が必要となる。滑走路増設用の用地などどこにもない。
反対同盟・周辺住民との大激突は避けられない。それをも覚悟で、この暴挙を強行しようというのであれば、われわれは断固迎え撃つ。それは三里塚の新たな発展と勝利への道を切り開くであろう。
争闘戦激化の中で
今回の「3本目の滑走路要求」は、直接には成田空港の危機に焦った地元経済界の私利私欲から来ている。しかし、東京オリンピックを使った安倍政権による空港容量拡大攻撃をあてにした要求という側面もある。今現在、東アジアをめぐっては軍事政治的緊張がかつてなく高まっており、TPP交渉を主戦場に、大恐慌下での、争闘戦が激しく展開されている。安倍政権は対米対抗的な姿勢を示し、米政府の「靖国参拝の自制要求」も無視して参拝を強行した。
第1次安倍政権時のアジアゲートウェイ構想に示されるように、国策空港は経済的争闘戦の軸となるインフラだ。したがって、今回の千葉県・成田の地元経済界のみならず、「羽田の5本目の滑走路」「成田の3本目の滑走路」を求める声は、財界や地方自治体から上がっている。
昨年10月24日には、関東地方知事会議が、「東京五輪開催にむけて成田、羽田両空港の機能強化の支援を国に求める」なる決議を行い、成田空港の24時間化や3本目の滑走路をにおわす要求をしている。
国交省自身、羽田と成田の両空港の年間発着枠は2014年度に約75万回に増やす予定である上、「航空需要の拡大で2020年代には発着枠が不足する」とのデタラメな予測を口実に、20年開催の東京五輪もタテに、あらためて成田・羽田の容量拡大攻撃を本格化させている。
「3本目の滑走路建設」攻撃と対決し、市東さんの農地裁判控訴審決戦勝利へ、3万人署名を貫徹し霞が関へ攻め上り、3・23全国集会―3・26控訴審の大結集をかちとろう。