TPP年内妥結阻む 12・18 日比谷集会に2500人
TPP年内妥結阻む
12・18 日比谷集会に2500人
(写真 集会に結集する労働者農民にビラをまく反対同盟と三里塚現闘【12月8日 日比谷野外音楽堂】)
反対同盟と三里塚現闘は12月8日、東京日比谷野外音楽堂で開かれた「これでいいのかTPP 12・8大行動」に参加するとともに、ビラをまいて市東さんの農地裁判控訴審の訴えを行った。
集会には全国から2500人が集まって、TPP交渉への怒りを訴えた。
この集会は、TPPに反対する弁護士ネットワーク、TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会、主婦連合会の3団体が共催。
集会に賛同したのは全国各地のJA、生協、労働組合、商工会、市民団体など156団体、改めてTPPへの反対の声が全国各地で根強いことを示した。
呼びかけ団体を代表して主婦連合会の山根香織会長が、「政府は選挙公約、国会決議を無視してTPP交渉を年内に妥結しようとしている。なんとしてもこれを食い止めなければならない」とTPP交渉から即時撤退すべきだと強調するとともに、「すでに日本全国のさまざまな地域で、多国籍企業が事業に参入しており、ひたすら利益だけを追求した世の中になろうとしている。TPPはこの流れを加速させる」と、TPP参加により地域経済や市民生活が脅かされると訴えた。
そのほか、全国の代表者6人によるリレーメッセージでは、「TPPは経済自治を破壊する。日本中が限界集落になってしまう」(曽我逸郎・長野県中川村長)、「TPPは一握りのグローバル企業による世界的パワハラだ。参加すれば日本の郵政ネットワークは崩壊する」(郵政労働者)、「ISDは司法主権の侵害。TPPは稀代の悪法だ」(弁護士)など、さまざまな立場から問題点が指摘された。
集会では、「日本の主権と食の自給を脅かし...大企業の利益を優先させるTPP」は絶対に認めないこと、日本が聖域とする農産物の重要5品目や国民皆保険制度などを「守れないようなTPP交渉からは毅然と撤退すること」などを求める大会アピールを満場一致で可決した。
集会後、銀座をデモ行進。「TPPは生活を脅かす」、「日本の社会を根底から破壊する」などと道行く人に呼びかけた。
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12・8集会にいたる粘り強い反対運動の結果、TPPの年内妥結は阻止された。しかし、来年1月に閣僚会議を開き依然として早期妥結を画策している。
今会合では、アメリカ帝国主義の露骨な新自由主義的要求に対するマレーシア、タイ、ベトナム諸国の激しい反発がきわ立った。こうした対立の根底には、新自由主義に対する全世界の労働者人民の怒りが渦巻いている。
さらに、顕著だったのは、日米対立の激化と日帝の孤立・敗勢だ。今会合で全体交渉を「主導」する予定だった日米が土壇場で対立を表面化させたことが年内妥結の失敗につながった。
反対同盟や全国農民会議がくり返し訴えているように、関税の撤廃で農漁民に犠牲を押しつけ、関連産業を含めた労働者の生活と雇用を破壊するTPPを絶対に阻止しよう。