■News & Review 韓国 4・24ゼネスト、民主労総27万組合員が決起 2015年の壮大な闘争の砲門を開く
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4・24ゼネスト、民主労総27万組合員が決起
2015年の壮大な闘争の砲門を開く
4月24日、ついに民主労総4・24ゼネストが強力に成し遂げられた。朴槿恵(パククネ)政府を糾弾してゼネストに立った労働者たちの声が全国17地域のゼネスト大会で響き渡った。
2015年朴槿恵打倒闘争の最初の起点を確実にかちとることに成功したのだ。ゼネストは韓国の民主労組運動の歴史の中で培われて来た労働者階級の底力を解き放つことに成功した。
民主労総は、①「より容易な解雇、より低い賃金、より多くの非正規職」を狙う朴槿恵の労働者殺し粉砕(労働市場構造改悪廃棄)、②公的年金強化及び公務員年金改悪中断、③最低賃金1万㌆をかちとる、④勤労基準法全面適用及び労組法2条改正、すべての労働者の労働基本権をかちとる――の四つの要求を掲げてゼネストに立った。
民主労総14の加盟組織2829事業場から25万9519人、16の傘下組織97事業場から9525人など総計2926カ所の事業場から26万9044人の組合員が4・24ゼネストに参加した。組合員たちは個別事業場の条件に従い、全面ストライキ、部分ストライキ、年休闘争などの多様な方式でゼネストに結合した。
朴槿恵政権とセヌリ党、資本家と保守マスコミはゼネストを前にして、さかんに「不法ストライキだ。刑事処罰をする」と脅迫した。しかし労働者たちはこれ以上引き下がるところはないという切迫感と怒りを体現してゼネストに突入したのだ。イヨンジュ事務総長はゼネスト大会の司会あいさつの中で「朴槿恵政権は不法ストライキだ、厳重処分をすると言っている。そうだ。われわれは今まさに不法ストライキに突入したのだ」と宣言した。
ソウルに1万5千人
民主労総4・24ゼネストのソウル大会は、4月24日午後3時からソウル市庁広場で開催された。「終わらせよう、パククネ! 行こうゼネスト!」という労働者の叫び声で大会が始まった。
最初に、96~97年の労働法改悪阻止闘争を指導したタンビョンホ民主労総指導委員(元民主労総委員長)が舞台に上がった。タンビョンホ指導委員は「朴槿恵政権が資本に何でもできる刀を握らせて解雇を簡単にして賃金を削り非正規職を量産しようとしている。政府が不義の法で労働者民衆を弾圧したならば労働者はその不義に抗して抵抗する責任と義務がある」と声を高めた。そして「民主労総ゼネストは労働者民衆の権利を守るための正当で正義のストライキであり、民主主義を破壊して権力を私物化する朴槿恵に対して民主労総の役割りは重要だ」と述べ、「集団指導力と現場組織力を発動すれば96~97年に匹敵する威力的な闘争を組織することができる」と激励した。
チョンミョンソン4・16(セウォル号)家族協議会委員長が民主労総ゼネスト集会に参加した。チョンミョンソン委員長は、「われわれ家族は最低限、真相究明、責任者処罰、安全社会のために闘うものであり、政府がやらなかったらわれわれが最後までやり遂げるから一緒にやってほしい」と述べ、「われわれは行動するものであり、高貴な犠牲者たちのために、遺家族を冒涜した人たちを審判するだろう。国民とともに安全社会をつくって人間の尊厳性を求めるだろう」と約束した。
ユジヨン公共運輸労組医療連帯本部ソウル大病院分会事務局長、キムギュウ建設産業聯盟建設労組京仁(キョンイン)地域本部長、キムヨンホ金属労組京畿(キョンギ)支部SJM支会長が現場の闘いを報告し、朴槿恵政府に抗する民主労総ゼネストに立った決意を明らかにした。
ハンサンギュン委員長が6月第2次ゼネスト訴え
ハンサンギュン民主労総委員長がゼネストを宣言し、さらに5・1メーデー10万人大会をやり遂げて6月第2次ゼネストに立とうと訴えた。
ハンサンギュン委員長は、「同志たちよ、われわれはこの野蛮の時代に別れを告げるためにこの場に共に集まった。朴槿恵政権はわれわれにもっと差し出せと言う。われわれはこれ以上奪われるものはなく、情勢は切迫している。誇り高い民主労総の組合員同志たちがゼネストに立った。必ず勝利しよう」と述べ、「同志たちよ、われわれは今、不法だの売国だのと罵られている。どんな決意で立ち上がったのか? われわれがいい加減な闘いしかしなかったら、永遠の奴隷に転落するだろう。もっともっと売国だ、不法だと烙印を押されるだろう。もっと堂々と闘わなければならない。今日、民主労総26万9044人組合員がゼネストに参加した。始まりは微弱だが、その最後でわれわれは政権にとどめを刺すのだ。26万で始まるわれわれの闘いは1000万チャングレ(非正規職)を救い、2000万労働者が世の中の主人であることを宣言するだろう。生きていけないと叫ぶ4000万民衆が生きがいのある世の中を夢見ることができるようにするのだ」と訴え、次のように述べた。
「朴槿恵政権がわれわれ労働者を敵に回すなら、その政権はわれわれの政権ではなく売国政権だ。民主労総は容赦なく闘うだろう。民心を軽く見てはならない。1千余のすべての市民社会団体が民主労総ゼネストを応援している。われわれはより多くの民衆と一緒に闘うだろう。朴槿恵政権が権力を守ろうと地団駄を踏んでいる。強力な労働者の闘争を見せつけてやろう。その日は遠くない。今日の気勢で現場を組織してもっと引き寄せて激励しよう。世の中を変える闘争の先鋒に立とう。民主主義の逆行、民衆生存権の破綻、反労働政策にとどめを刺してわれわれの子どもたちの夢と未来を守るために政権を審判しよう。ゼネスト闘争で朴槿恵政権にとどめを刺そう!」
ストライキ歌が鳴り渡る中、参加各組織の組合旗入場式が行われた。ハンサンギュン委員長は民主労総旗を力一杯振りながら入場する旗の列を迎えた。会場全体がストライキ歌を斉唱した後、デモ行進に移った。
朴槿恵打倒へデモ行進
ソウル広場を出た隊列はソウル市民に向かって朴槿恵政権のすべての非理、失政を告発しなが乙支路方向に行進した。
「たやすい解雇、低い賃金、構造改悪中断せよ!」「国民も投げ捨てる朴槿恵政府を糾弾する!」「公共機関の偽正常化を即刻中断せよ!」
先頭で行進していた建設労働者たちが鍾路(チョンノ)2街十字路から楽園(ナグオン)商店街方面に走り始めた。建設産業連盟と公共運輸労組などの先頭隊列が楽園商店街の大きな建物の下をくぐりぬけて雲峴(ウンヒョン)宮を経てトクソン学院付近の車道を完全に占拠した。警察は安国(アングク)駅方面への車道を遮断壁と警察車両の壁で封鎖した。
労働者たちは再び鍾路の方に戻って全教組・金属労組と合流して鐘閣(チョンガク)方面に進んだ。上下全車線を占拠した隊列が力強く行進しながら朴槿恵政府を糾弾した。
鐘閣駅十字路を労働者たちがびっしりと埋めた。民主労総組合員たちは鐘閣駅十字路を占拠したまま整理集会を行なって、1週間後のメーデーでまた会おうと決意した。
動労千葉の代表が参加
動労千葉から、田中康宏委員長らが参加した。ゼネスト大会で、日本から動労千葉が参加していることが、イヨンジュ事務総長から大会参加者に伝えられた。日韓労働者階級の連帯は新しい発展段階に入ったのだ。 (大森民雄)
●4・24ゼネスト闘争決意文
闘争の旗が上がった。今日のゼネストと今後の闘争は労働搾取の朴槿恵政権の腐敗と無能に決定的打撃を加えるものであり、ゼネストを支持する国民と共に政権退陣闘争のために駆け出す歓声の旗になるだろう。さあ闘争の砲門を開こう!
2千万労働者全体の賃金と雇用安定を奪い脅かす朴槿恵政権はすでに攻撃を敢行した。労使政委員会は破綻し政府の労働市場構造改悪陰謀が暴露されたが、財閥の腹肥やしに血眼の朴槿恵政権は団体協約是正強制など職権を乱用して強行推進方針を明らかにしている。
一般解雇要件を緩和して就業規則を意のままに改悪するなど「解雇は容易に、賃金は低く、非正規職はより多く量産」しようとする労働市場構造改悪は今後20年の労働条件を規定するとんでもない攻撃だ。また、公務員年金を削減して公的年金を後退させて国民の老後を財閥の年金市場の食い物に投げ出そうとする朴槿恵政権だ。政府は労働者・市民搾取政策を今すぐ廃棄せよ。
ストライキに立ったわれわれは最低賃金1万㌆を要求する。700万低賃金労働者とその家族にたった100万㌆の最低賃金で生活せよというのは国家の暴力だ。最低賃金が最高賃金になった搾取的現実に怒りを覚える。最低賃金1万㌆が希望だ。国家は低賃金労働者たちに「生存」それ以上の「生活」を保障する義務がある。
4人以下の事業場という理由で、また特殊雇用労働者という仮面を被せて労働法の保護から排除するのは資本の論理であるのみだ。万人が法の前に平等ならば、すべての労働者に労働法を保障せよ。労働組合を持つ権利を保障せよ! この獲得課題のために今日のゼネストは始まりにすぎない。
朴槿恵政権に警告する。われわれは今日のゼネストで2015年闘争を始める。5月1日メーデーにはソウルに集結する。10万労働者が集まり「トゥジェン!」を叫び、あなたの「退陣!」を要求するだろう。ゼネストは波状的闘争の始まりだ。もっと熾烈に組織するものであり、5月に6月にわれわれの闘争は継続するだろう。
官権不正選挙で誕生した政権、労働者たちの心臓、民主労総に乱入した政権、貪欲が凝縮したセウォル号で304人の花のような命を皆殺しにした政権、政権の陰の実力者たちの不正腐敗の悪臭がすべての世の中を揺るがす政権、その中心に立つ朴槿恵大統領は正当性も、この国を統治する資格もない。言う言葉はその度に嘘であり無責任と海外逃避で綴られた政権は労働者には結局災難だった。朴槿恵政権退陣せよ!
今日の4・24ゼネストでわれわれは2015年闘争の砲門を開いた。止めることのできないわれわれの闘争のためにわれわれは次のように決意する。
ひとつ、労働市場構造改悪廃棄!公的年金強化!闘争に共に闘うことを決意する!
ひとつ、低賃金労働者の希望、最低賃金1万㌆をかちとるために闘うことを決意する!
ひとつ、労働者はひとつだ。すべての労働者の労働基本権をかちとるその日まで闘うことを決意する!
ひとつ、不正選挙不正腐敗、労働弾圧の朴槿恵政権退陣のために闘うことを決意する!
2015年4月24日
全国民主労働組合総連盟