■News & Review 日本 「安倍倒せ」5700人が11・2日比谷に結集 戦争・民営化粉砕! 動労総連合を全国へ
■News & Review 日本
「安倍倒せ」5700人が11・2日比谷に結集
戦争・民営化粉砕! 動労総連合を全国へ
今こそ闘う労働組合を全国の職場に
2014年11・2全国労働者総決起集会は、東京・日比谷野外音楽堂に5700人を結集して歴史的に大高揚し、大成功した。集会は、国鉄決戦に勝利し、「動労総連合を全国につくる」ことを決意し、戦争・改憲と原発再稼働の安倍政権を打倒する熱意にあふれた。そして、「今こそ闘う労働組合を全国の職場に」つくり出すことを共同の決意とした。また、韓国、アメリカ、ドイツの労働者を迎え、国境を越えた国際連帯の集会として、今年も画然とした地平を切り開いた。
「戦争か革命か」の歴史選択をかけ、巨万の労働者階級が国鉄決戦を先頭にプロレタリア革命勝利へ進撃する闘いが本格的に始まったのだ。アベノミクスの崩壊と女性2閣僚の辞任、次々発覚する金権腐敗とスキャンダルで崩壊の危機にある極右超反動の安倍政権への怒りは、地に満ちている。11・2集会の圧倒的地平から、安倍打倒―プロレタリア革命勝利へ進撃しよう。
呼びかけ3労組が国鉄闘争勝利の決意
集会は冒頭、韓国で4月16日に発生したセウォル号の沈没で犠牲となった300人を超える人々へ哀悼の意を表する黙祷で始まった。
そして、呼びかけ3労組の各代表が発言した。
全国金属機械労組港合同の中村吉政委員長は、「11月労働者集会の原点は国鉄1047名解雇撤回闘争への反動判決がきっかけだった。国家総ぐるみの不当労働行為が正当化され、『組合つぶしも首切りもやり放題になる』という危機感と怒りが3組合を結びつけた」と振り返り、国鉄闘争全国運動が今日まで国鉄闘争を継続してきたことの意義を強調した。また、橋下大阪市長との闘いが、団結権破壊を許さない闘いであるとして、「長年にわたり培ってきた官民連帯の地域共闘を軸にして闘い抜く決意」を明らかにした。
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部からは、同労組近畿地本の西山直洋書記長が、「安倍政権になり、労働者が最低限の権利さえ奪われる実態の中で、団結して闘おう」と訴えた。そして、関西生コン支部が50周年の大会を開き、個人加盟制の産業別労働組合を建設し、交渉権、行動権、妥結権を組合の統一司令部に置いて闘ってきたことの意義を語り、刑事弾圧、民事弾圧を許さず、経済闘争とともに政治闘争を闘い、国鉄闘争に勝利するという決意を表明した。
動労千葉の田中康宏委員長は、国鉄闘争への支援に感謝の意を表し、「30年間にわたり闘われてきた国鉄闘争が、生き生きとあらゆる怒りの声と結びつく時が来た」と述べ、①1047名解雇撤回をかちとる、②外注化・非正規職化粉砕に向けて闘い抜く、③絶対に戦争への道を止めよう――という3点を強調し、「そのために闘う労働組合を取り戻そう。反転攻勢の時だ」と鮮明な決意を述べた。
各界から連帯あいさつ
続いて連帯のあいさつが行われた。
三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さんは、農地取り上げに絶対反対し、動労千葉との労農連帯のもと、沖縄や福島と連帯して闘う決意を表明した。
「許すな改憲!大行動」代表呼びかけ人で憲法と人権の日弁連を取り戻す会の鈴木達夫弁護士は、「ついに安倍政権が瓦解を開始した」と述べ、7・1集団的自衛権閣議決定で戦争への道を進む安倍政権を倒すために、「国家とは1%の資本家が人民を支配するものだ」「『自衛戦争』のペテンにだまされてはいけない」という2点を強調した。
「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の星野暁子さんは、獄中から寄せられた星野文昭さんのメッセージを紹介し、「全証拠を開示させ100万人署名運動の力で、労働者民衆の団結した力、国際連帯の力で星野文昭を70歳まであと2年での奪還を実現しましょう」と訴えた。
国鉄10万筆署名の力で解雇撤回判決を
国鉄1047名解雇撤回へ、動労千葉弁護団長の葉山岳夫弁護士は、東京地裁、東京高裁が「不当労働行為」を認めたのなら、「解雇撤回・JR復帰しかない」として、最高裁10万筆署名の達成を呼びかけ、「階級的労働運動の一環としての裁判闘争に勝利する」と発言した。
国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんは「国鉄解雇撤回の10万筆署名が労働者の結集力を甦らせている。国鉄闘争全国運動にとって来年は飛躍の年だ」と力強く訴えた。
動労千葉争議団の中村仁さんは、全国からの支援を受けながら、JRの動労千葉組合員とともに闘い、解雇撤回をかちとる決意を表明した。国労小倉闘争団の羽廣憲さんは、組合員資格確認訴訟の一審反動判決を許さず、控訴審を闘い抜く決意を明らかにした。2人からは、10月29日に急逝された国労近畿の富田益行さんの遺志を継いで闘うことが表明された。
JR業務外注化阻止、動労総連合を全国へ
動労千葉の長田敏之書記長は、今年、5・2と10・1の2波の外注化粉砕のストライキを貫徹し、初めて「CTS(千葉鉄道サービス)、委託先の労働者を守れ」というスローガンを掲げた意義を訴え、「CTSの労働者とJRの労働者が一体となって闘うことが外注化を止める最大の道だ」と、3人のCTSの労働者が動労千葉に加入したことを報告した。その1人が紹介され、「動労千葉に入ったのは、働いて当たり前の生活をしたい、これに尽きます」と述べた。
動労水戸の石井真一委員長は、福島原発事故が終わっていないにもかかわらず常磐線竜田延伸を強行したことを弾劾し、断固闘い続ける決意を表明、外注化に対しては、「動労総連合全員が、外注をJRに戻して、断固復帰することを宣言する」と断言した。
国労郡山工場支部の橋本光一さんは、「動労総連合が、JRの反合闘争・外注化阻止闘争に責任を取るという立場で9・11郡山に決起した。特に動労総連合の青年が主体的にその先頭に立った。この動労総連合の決意に私は応えなければならない」と表明した。
動労総連合の青年組合員からは、動労千葉の北嶋琢磨青年部長が「動労総連合青年部の一員として、全国に俺たちの力を広げる」と述べ、動労水戸の照沼靖功さんは「俺は国労、俺は動労千葉という壁を越えて団結し、正規、非正規が団結して闘おう」と訴え、動労西日本の山田和広青年部長は、「非正規化、外注化を全部ひっくり返す力を、動労総連合を全国につくるという形で実現しよう」と呼びかけた。
国鉄労働者の鮮明な決意に大きな拍手が送られ、「動労総連合を全国に」を参加者の共通の決意とした。
韓国、アメリカから連帯
自治体労働者によるカンパアピール、韓国公共運輸連盟社会保険労組の3人による律動(音楽のリズムに合わせた闘争の踊り)が披露され、国際連帯アピールに移った。
韓国から駆けつけた27人の労働者が壇上に並んだ。民主労総ソウル地域本部のイヒョンチョル副本部長は、「セウォル号惨事は、単純な事件ではなく虐殺だ」「資本の貪欲が生んだ人災だが、しかしただの1名も救出できなかった無能な大統領が責任を負いもしない」と、真相究明を求める遺族をも弾圧する朴槿恵政権への怒りをあらわにした。そして、「安全が保障される国とするために、利潤より生命のために、人間が中心になる世の中のために行動します」と力強くアピールした。
米ロサンゼルス統一教組(UTLA)のセシリー・マイアトクルス副委員長は、教師から仕事を取り上げ隔離する「教師監獄」をつくって弾圧する教育長を弾劾し、「ロサンゼルスにふさわしい学校づくり」を掲げる「ユニオン・パワー」の2年間の闘いで、闘わない前委員長の下での体制を打倒して執行部を握った闘いの教訓を語った。そして、組合をつくり変え教育民営化と対決する中で、市教育長を辞任に追い込んだと報告した。
アメリカからは、運輸労働者連帯委員会のスティーブ・ゼルツァーさん、ドイツからはラーベン・ブロンシュタインさん(ベルリン都市鉄道民営化反対行動委員会)が参加していることが紹介された。
在日・滞日外国人労働者が勢ぞろいし、200人以上が参加したクルド人の代表が民族解放の闘いへの支援を熱烈に訴えた。
改憲・戦争反対、反原発の闘いから
改憲・戦争反対、反原発の闘いを代表し、まず、とめよう戦争への道!百万人署名運動の西川重則事務局長が「戦争は国会から始まる」という危機感を込めて安倍政権の改憲策動を弾劾した。
長崎被爆者・NAZENナガサキの城臺美彌子さんは、1938年の「国家総動員法」から41年アジア・太平洋戦争に向かった歴史を教訓に、現在の安倍政権が狙う「憲法壊滅」、道徳教育への評価制度導入などの動きに警鐘を鳴らし、「子どもたちを再び戦争に送ることは許しません」と訴えた。
福島診療所建設委員会の佐藤幸子さんは「福島の子どもたちを見殺しにして、何がオリンピックですか? 何が原発再稼働ですか? 原発を輸出する? 冗談じゃありません」と怒りを込めた。福島県知事選で与野党相乗りの候補が当選したことに危機感を表明し、「原発で被曝しないためにも、若者が戦争に行くようなことを二度と繰り返さないためにも、命が一番大切だと再確認して、今日を新たな出発の日にしよう」と訴えた。
民営化・非正規化粉砕
現場からの闘いの報告として、「解雇撤回・原職復帰」の画期的勝利をかちとり、11月17日に職場に復帰する東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長、11月30日にも園芸共同組合の退去が迫られている大阪・高槻の植木団地労組を始め、教育労働者、解雇撤回を闘う沖縄の日本IBM・ビジネスサービス労組などが、切実な闘いの訴えを行った。
関西生コン支部の武谷新吾さんが「国鉄闘争全国運動・関西」として特別発言に立ち、
関西準備会のリーダーを担い10・17関西国鉄集会の基調報告を行った富田益行さんの遺業を引き継ぎ、国鉄闘争勝利へ、闘うネットワークを強く大きくすると宣言した。
さらに、愛媛県職労、郵政非正規ユニオン、小竹運輸グループ労組、医療労働者、国鉄闘争全国運動・新潟、そして全学連の齋藤郁真委員長が闘いを報告した。
集会ではさらに「集団的自衛権行使・憲法改悪反対労組声明」と「セウォル号惨事に関する決議」を採択した。
参加者は「解雇撤回・安倍打倒」のコールを響かせて新橋―銀座―東京駅の都心へデモに出た。沿道からは熱い視線が注がれ、声援が送られた。国家権力・警視庁は、闘いの大高揚に打撃を受け、学生のデモ隊に襲いかかり、3人をデッチあげ逮捕した。断じて許せない。
参加者たちは、11~12月の闘いから、2015年の階級決戦へ、勇躍躍り込む決意を打ち固めた。
(大沢 康)