特集 国鉄決戦で戦争・改憲阻止 集団的自衛権行使と労働規制撤廃の安倍=葛西を倒そう Ⅲ 動労千葉・動労水戸がスト――新自由主義のJR体制打倒を

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月刊『国際労働運動』48頁(0455号03面03)(2014/07/01)


特集 国鉄決戦で戦争・改憲阻止
 集団的自衛権行使と労働規制撤廃の安倍=葛西を倒そう Ⅲ
 動労千葉・動労水戸がスト――新自由主義のJR体制打倒を

(写真 「CTSのプロパーの仲間を犠牲にするな」と外注化粉砕、運転保安確立へストに立った動労千葉【5月2日 幕張】)

 日帝・安倍と葛西は、絶望的な戦争・改憲―集団的自衛権行使にのめり込み、同時に労働者への労働規制撤廃・残業代ゼロの攻撃に体制の延命をかけている。絶対に許すことができない。国鉄決戦の爆発で必ず粉砕しよう。

10年代中期階級決戦

 戦争と革命の時代において、2010年代中期階級決戦に勝利していく観点から、JR体制打倒を水路に安倍=葛西を打倒していくことである。
 2010年代中期決戦とは、パリバ・リーマンショックから始まった今次大恐慌の10年間を、1929年世界大恐慌から1939年のナチス・ドイツのポーランド侵攻に始まる第2次世界大戦勃発までの10年間に重ね合わせて見るものだ。
 10年代中期はまさに戦争と革命の時代である。中期階級決戦に勝利することが日本革命に勝利する道である。
 中期階級決戦の課題として3点を提起している。
 一つは、JR体制を打倒し、革命に勝利しようということである。具体的組織方針として動労総連合を全国につくることである。
 二つには、戦争・改憲の安倍打倒の労働者階級人民の怒りと結びつき闘いを発展させることである。8・17大集会に日比谷公会堂を満杯にする大結集をかちとることである。
 三つに、都知事選挙への挑戦として開始した選挙闘争を権力への挑戦として積極的に位置づけ、闘い抜くことである。泉佐野市議選での圧倒的な勝利の上に、6月29日投票の杉並区議補欠選挙に全力を挙げることである。
 JR体制とは、現在の日帝の中枢が安倍・葛西体制であることだ。
 葛西は、何よりも国鉄分割・民営化の国鉄現場の責任者であり、国鉄労働運動破壊の張本人であった。今や安倍のイデオローグであり、安保法制懇談会の中心人物として集団的自衛権を推進している。また安倍の成長戦略の要である鉄道のパッケージ輸出を主導し、安全無視・自然破壊のリニア新幹線を促進している。
 葛西は、安倍の「成長戦略」である総非正規職化、外注化、労働規制撤廃、残業代ゼロなどを推進し、JRでは利益最優先・安全無視の外注化を推進している。安倍の原発政策の先頭に立ち、福島圧殺の先兵となって、福島第一原発から20㌔圏内の楢葉町への早期帰還を促進するために常磐線竜田延伸をごり押ししている。
 そのJR体制が新自由主義の崩壊とともに全面的危機に陥っている。
 一つは、分割・民営化強行における国家的不当労働行為が6・29判決(12年)と9・25判決(13年)によって暴かれたことだ。4・9反革命を打ち破った国鉄闘争全国運動の不屈の闘いの勝利である。
 二つは、尼崎事故、JR北海道事故、JR東日本・川崎駅事故によって、JR体制は安全問題で大破綻している。いずれも非正規職化・外注化の大破綻である。外注化は人員削減であり、出向であり、安全の切り捨てであり、事故の責任を現場労働者に押し付けるものだ。動労千葉は、事故問題を労働組合の課題として闘うことによってJR体制と闘い勝利することができた。
 三つに、3島(北海道、四国、九州)の経営破綻問題、JR貨物問題など分割・民営化問題の破綻が拡大し、労働者支配が崩壊したことだ。JR当局・カクマル結託体制が崩壊し、国鉄決戦をめぐる情勢が大再編・大流動を開始していることだ。動労千葉の反合・運転保安闘争が闘いの結集軸になる時が来ている。
 JR体制を打倒するチャンスである。そしてJR体制打倒は安倍=葛西体制打倒そのものである。
 大恐慌と3・11という日帝の断崖絶壁的な危機の救済者として登場した反米極右の安倍=葛西体制に対して、新自由主義の国鉄分割・民営化攻撃を打ち破ってきた階級的労働運動の動労千葉と動労水戸が立ちはだかっている。
 1~5月闘争は国鉄決戦を基軸に闘い抜かれ、巨大な情勢をつくりだした。5・2動労千葉ストと5・10動労水戸スト―いわき闘争はその決定的突破口になった。
 そして5・30~31の動労水戸のスト決起と5・31いわき大集会の熱烈で感動的な大高揚へと発展した。これと固く一体で進む国労郡山工場支部は、被曝労働拒否・外注化反対の闘いを工場全体に押し広げている。さらに新潟のJR新津工場での、丸ごと外注化=分社化に対する地域一丸となった反撃へ、新たな闘いの展望をつくりだしている。

検修外注化粉砕へ動労千葉の5・2スト

 動労千葉は5月2日、「外注化―強制出向粉砕! 反合・運転保安確立」を掲げて怒りのストに立った。JRの外注先であるCTS(千葉鉄道サービス)が、国鉄時代なら担当するまでに10年の経験を必要とした仕業検査を、入社後まだ1年の労働者に行わせるという暴挙に対し、全力で反撃を開始した。
 JRとCTS資本は、きちんとした教育や訓練も行わず、経験も積ませず、事故が起きればすべて労働者に責任を押しつけ切り捨てるという、金もうけ優先で安全を破壊するでたらめをやっている。JR北海道の事故で首を切られたのは23歳の青年労働者と退職間際の労働者だ。韓国のセウォル号では乗組員に殺人罪が適用された。
 動労千葉は「このままでは鉄道140年の歴史の中で築いてきた安全が崩壊する」「プロパー採用の仲間たちを犠牲にしてはならない」と決起した。JR本体の労働者とCTSの労働者が本当にひとつになれる展望が出てきた。JRと一体で下請け労働者を組織することに成功した時、外注化を現実に阻止することができる。
 そうなればこの社会をひっくり返すことができる。これは鉄道の安全と、働く仲間を守る闘いだ。こうして外注化を阻止する展望を開いた。

常磐線竜田延伸阻止へ5・10動労水戸スト

 動労水戸は10日、常磐線の広野―竜田駅間の運行再開に反対するストを断固として打ち抜いた。まだ放射線量が高い汚染地域で、なぜ政府とJRは運行を再開するのか? 住民に帰還を強制し、福島原発事故にふたをし、全国の原発再稼働の流れをつくり出し、原発輸出をも強行するためだ。そんな目的のために鉄道労働者と住民に被曝を強制し犠牲にすることなど断じて許せないと立ち上がった。

5・31いわき集会の大成功

(写真 動労水戸のストに応え、全国から520人の労働者・学生が結集しデモ行進【5月31日 いわき】)

 「福島切り捨てを許さない! 竜田延伸反対! 5・31総決起集会」が5月31日、動労水戸の主催でいわき市平中央公園で開かれ、全国から520人の労働者・学生が結集した。集会後、いわき市内をめぐるデモが闘い抜かれ、さらに、いわき運輸区前での抗議行動が打ち抜かれた。
 竜田延伸阻止を掲げ、動労水戸は、30日から31日までの全乗務員ストに突入した。集会はストが貫徹される中で闘いとられた。
 多くの感動的な発言が行われたが三つの発言を紹介したい。
 主催者としてあいさつした動労水戸の石井真一委員長は、「JRは楢葉町の帰町宣言があれば運行を再開すると言っていたが、29日の楢葉町長の表明は『帰町判断は来春にする』というものだった。なのにJR水戸支社は6月1日運行再開と発表した。これは、安倍の意を受け、楢葉に住民を帰らせるためのものだ。原発事故は何も収束していないのに、その原発に向かって電車を走らせることは絶対に許せない。今日の集会とデモで政府・JRに怒りを爆発させよう」と訴えた。
 動労千葉の田中康宏委員長は、「動労水戸の闘いは日本の労働運動に新しい1ページを記した。これは闘う労働組合を取り戻す闘いだ」と切り出し、「原発事故をなかったことにし、福島を切り捨てる攻撃に、動労水戸はストライキで立ち上がった。これは国鉄労働者の誇りをかけた闘いだ。安全は鉄道の最大の使命だ。安全を破壊する竜田延伸を認めることは労働組合として絶対にできない」と提起して、6・8国鉄集会への大結集を訴えた。
 集会のまとめを行った動労水戸の辻川慎一副委員長は、「竜田延伸が住民から待ち望まれていたかのように報道されているが、事実はまったく違う。われわれが仮設住宅にビラを配ったら、『国鉄の労働組合が闘っている。さすが国鉄の労働組合だ』という反応が返ってきた」「安倍は国民を守るために集団的自衛権の行使が必要だというが、政府が国民を守ったことがあるのか。仮設の人たちは、原発事故で生活を根本から奪われた。これは今に始まったことではない。戦後一貫して、政府は労働者民衆の命を踏みにじってきた。その厳しい時代を生き抜いてきた人たちの怒りの火が大きく燃え上がったら、時代は変わる」と提起した。
 集会後のデモはいわき市民の圧倒的な関心を集め、各所でデモ隊に手を振る住民の姿が見られた。デモ終点のいわき駅前では鈴なりの人びとがデモに注視し、迎え入れた。デモ終了後、いわき運輸区前に移動した参加者は、JRを徹底弾劾するとともに、乗務を強いられる労働者への激励行動を貫徹した。

5月ストの意義と6・8国鉄闘争全国集会

 動労千葉と動労水戸の5月スト決起が示したものは何か。
 一つは、国鉄決戦が福島の現実と結合し、動労水戸の被曝労働拒否・竜田延伸阻止ストライキとして発展し、福島の怒りを根底的に体現する組合丸ごとの決起となることによって、1980年代の国鉄分割・民営化阻止決戦以来ともいうべき階級的奮起を、全国鉄労働者に根底から促すものとなっていることだ。
 二つは、国鉄分割・民営化から30年、第2の分割・民営化攻撃との闘いとして外注化阻止決戦が切り開いた動労千葉の反合・運転保安闘争の地平が、ついに全国鉄労働者をとらえたことだ。それが民営化・外注化阻止と解雇撤回、国鉄決戦勝利の唯一の路線として圧倒的に受け入れられ、今や階級的労働運動の新しい時代が切り開かれている。
 三つには、最も重要なことは、6・8国鉄大集会がこれらすべてを束ねるものであり、1〜5月の国鉄闘争が切り開いた地平を全産別・職場、全戦線へと押し広げ、階級的労働運動路線で勝利へ総決起する絶好のチャンスを手にしていることだ。
 6・8国鉄闘争全国運動集会は、国鉄決戦、国鉄闘争全国運動の新たな本格的出発点である。JR体制打倒、安倍=葛西打倒を先端とするプロレタリア革命に向けた2010年代中期階級決戦の歴史的突破口になる。
 何よりも国鉄闘争全国運動を階級的労働運動の本格的発展への推進力としてさらに発展させることである。解雇撤回・JR復帰の10万筆署名を貫徹しよう。
 さらに国鉄闘争全国運動は今や国際連帯の力として発展している。6・8集会に韓国・鉄道労組が登場したことは決定的なことである。
 さらに「今こそ動労総連合を全国組織へ」を10年代中期決戦を闘う国鉄決戦の組織方針として実現していこう。
 JR体制を打倒し、安倍=葛西を打倒し、戦争・改憲を粉砕して日本革命の勝利へ驀進(ばくしん)しよう。