■国際労働運動の暦 4月24日 ■1948年阪神教育闘争■ 民族教育奪還の闘い 戦後続々と立ち上がった在日朝鮮人に対するGHQと日帝の圧殺攻撃
■国際労働運動の暦
4月24日
■1948年阪神教育闘争■
民族教育奪還の闘い
戦後続々と立ち上がった在日朝鮮人に対するGHQと日帝の圧殺攻撃
1948年4・24阪神教育闘争とは、戦後革命の嵐の中で、在日朝鮮人が民族教育を求めて全国的に澎湃(ほうはい)と闘いを起こしたことに対し、日本政府と米帝・GHQが武力をもって弾圧した事件である。戦後革命の中で重要な一角をなして闘った在日朝鮮人に対する支配階級の恐怖と危機感を表した事件であった。
▼奪われた言葉を取り戻す
日帝の36年間にわたる植民地支配によって、朝鮮は土地を奪われ、言葉を奪われ、姓名さえも奪われた。故郷で生きる糧を奪われ日本に渡航してきた人びと、労働力として強制連行されてきた人びとなど、日帝の敗戦時に日本国内には240万人の朝鮮人が住んでいたという。朝鮮人革命家、労働者は、8・15直後から、日本の労働者とともに闘いに立ち上がった。
多くの朝鮮人が故郷を目指して日本を離れたが、日本にしか生活の基盤をもたない人びとは日本に残って働き、生活した。そうした朝鮮人にとって切実な問題はその子らに朝鮮人としての教育を施すことだった。
寺子屋のような運動として始まった学校建設は、雨後の筍のように全国各地に生まれた。48年には小学校566校5万3千人、中学校は7校で3300人、青年学校(高校)が33校1800人に広がった。
日帝とGHQ占領軍の攻撃は48年に入って本格化した。1月24日に文部省の教育局長通達が出された。朝鮮人の子どもは日本の学校へ区別なく就学させる、要するに民族学校を認めないというものだった。朝鮮人学校として残すならば私立学校の認可を申請せよというものである。
▼初の非常事態宣言
4月23日、神戸で警官隊による実力行使で日本の学校の校舎を借りていた所が追い出された。翌24日、それに抗議する朝鮮人の団体や民衆が兵庫県庁に押し掛けて岸田知事と深夜までの交渉を行った。岸田知事は文部省命令の撤回を約束した。しかし、深夜になってGHQは非常事態宣言を発し、知事の「撤回」を反古にし、警察は周辺一帯の朝鮮人を無差別に1973人も逮捕する弾圧に訴えた。
大阪では、26日になり、府庁に交渉していた在日朝鮮人、府庁前集会をしていた多くの在日朝鮮人に対して突然解散命令が出され、武装警官が襲いかかり、数百人が逮捕された。その中で金太一(キムテイル)君⒃という少年がピストルで射殺された。
この大阪、神戸の二つの事件により日本人若干名を含め3千人以上が逮捕され起訴213人、占領下の軍事裁判にかけられた人が約3分の2で、重い刑罰並びに国外追放を受けた人が33人。学校自体は神戸で3校、大阪で19校が閉鎖され、私立学校の認可を受けたものが27校だった。
また在日朝鮮人連盟兵庫県本部の朴柱範(パクチェポン)委員長が、軍事法廷で「重労働4年9月」の有罪判決を受け、神戸刑務所に服役。49年11月25日に病気を理由に仮釈放され、4時間後に亡くなった。事実上の「獄死」だ。
GHQと日本政府の在日朝鮮人に対する圧殺攻撃は本質的に、プロレタリア革命に対する恐怖と反動である。植民地支配下でも営々と闘い、戦後(解放後)いち早く闘う労働運動を開始し、日本の共産主義者、労働者とともに戦後革命の先頭に立った在日朝鮮人の存在に恐怖した日本帝国主義資本家階級と米帝、GHQは、その一掃を図ったのである。当時の吉田首相は「民族教育は共産主義の温床」と恐怖感を表した。
その後、在日朝鮮人は、50年朝鮮戦争のもとで激しく闘ったが、55年に結成された朝鮮総連は、在日朝鮮人を「共和国公民」と位置づけ、「内政不干渉」の名で政治闘争に参加することを禁止した。国境・国籍を超えて一つの階級として闘うことを、スターリン主義的に抑圧したのである。また、在日朝鮮人の戦闘性を恐怖し、共に闘ってきた朝鮮人党員を党内から排除した日本共産党も同罪だ。こうした分断をのりこえ帝国主義とスターリン主義を共同の敵として闘うことが求められたのである。
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1948年阪神教育闘争関連日誌
1.24 文部省の教育局長通達「朝鮮人設立学校の取扱いについて」
3.31 山口県と兵庫県で、朝鮮人学校閉鎖命令
4. 8 岡山県で閉鎖命令
4.12 大阪府で閉鎖命令
4.23 大阪で、閉鎖命令撤回を求める3万人の集会
4.23 GHQ東京軍政部声明「朝鮮人に警告する」
4.24 兵庫県庁で岸田知事と交渉、閉鎖命令撤回させる
4.25 GHQが非常事態宣言
4.26 大阪府庁前集会に武装警官が襲いかかる。金太一君射殺
4.27 大阪で大阪市警察局長が集会・デモ規制の布告
5. 3 文部省が条件付きで朝鮮人学校継続を認める