大坂正明同志奪還へ総決起を 安保・沖縄闘争の爆発へ高裁で「懲役20年」覆そう

週刊『前進』04頁(3396号03面01)(2025/05/19)


大坂正明同志奪還へ総決起を
 安保・沖縄闘争の爆発へ高裁で「懲役20年」覆そう

(写真 機動隊の阻止線に向かって突撃するデモ隊。でっち上げ供述調書にはデモの先頭から大坂同志が飛び出したとあるが、この証拠写真に大坂同志は写っていない【1971年11月14日 渋谷区・神山交番前】)

 1971年11・14渋谷暴動闘争を闘い、一審懲役20年判決の戦時弾圧と闘う大坂正明同志の控訴審闘争が決戦局面に入った。無実の大坂同志を取り戻す闘いは安保・沖縄闘争と歴史的にも今日的にも一つだ。星野文昭同志虐殺から6年、階級情勢を揺るがす労働者民衆の実力決起を安保・沖縄闘争で切り開こう。5・30集会から大坂同志実力奪還へ、総決起体制を築こう。

中国侵略戦争阻む最前線

 アメリカ帝国主義の歴史的大没落が世界戦争情勢を激化させ、「戦争か革命か」をめぐる階級闘争の内乱的発展が世界中で開始されている。日本でも米日の中国侵略戦争と対決する荒々しい隊列が登場している。4・27渋谷・沖縄デー闘争は、全学連を先頭とした青年・学生・女性たちが激しい規制・弾圧を突き破り、渋谷の街を席巻した。「日米安保粉砕・全基地撤去」の訴えは労働者民衆の根底的怒りを解き放ち、高校生や女性が5人、10人と集団でデモに合流した。「70年決戦を超える安保・沖縄闘争」へ、歴史的闘いが始まった。
 大坂正明同志に下された2023年12月の一審懲役20年判決は、安保・沖縄闘争の爆発を抑え込むための、中国侵略戦争に向けた大弾圧だった。大坂同志は「この判決を覆すことができる力は、反戦闘争、とりわけ沖縄闘争の勝利、あるいは高揚の中にある」「社会を変革する力がこの闘いにはある」(24年2月の集会に寄せられたアピール)と全力で訴えた。
 今、青年たちは「星野さん、大坂さんのように闘おう」を合言葉に、戦争や女性差別を始めとした耐え難い社会の現実への根底的怒りを組織し、爆発的に闘いを拡大している。実力闘争の復権、反戦闘争としての反戦闘争を闘う主体が圧倒的に登場し、権力の弾圧を打ち破って進撃している。大坂同志を奪還する革命的な力が、ここにある。
 大坂同志の奪還闘争は、日帝の戦争攻撃との最前線の攻防だ。獄中の大坂同志と固く団結し、安保・沖縄闘争の爆発を切り開こう。大坂同志実力奪還へ、控訴審闘争を闘おう。

命をかけて沖縄と連帯し

 星野・大坂弾圧との闘いは、プロレタリア革命の成否をかけた日帝国家権力と労働者階級との死闘だ。
 日本の労働者民衆の意識と行動に巨大なインパクトを与え、その後の階級闘争を規定した70年安保・沖縄闘争は、米帝のベトナム侵略戦争を許さない巨大な反戦闘争として爆発した。帝国主義本国において被抑圧民族人民と連帯し、自国帝国主義の侵略戦争を内乱に転化して闘う路線と方針が確立され、爆発的な力を得て全学連が大衆的実力闘争をリードした。戦後世界体制の根底的動揺を促進しプロレタリア革命へ向かう「歴史選択としての70年闘争」に多くの青年、学生が立ち上がった。その頂点が71年11・14渋谷闘争だ。
 日米軍事同盟の最大の実体である沖縄では、ペテン的な「返還」に対する怒りが2度の全島ゼネストとして燃え上がっていた。11・14渋谷暴動闘争は、これに真っ向から応え、首都・東京を内乱にたたき込むものとして組織され、闘い抜かれた。国家暴力を打ち破り、階級支配を揺るがした大闘争に、権力は心底恐怖した。革命への恐怖が11・14闘争弾圧の本質だ。
 70年安保・沖縄闘争で唯一、11・14闘争弾圧に「殺人罪」が適用され、星野同志には一審で死刑が求刑された。戦前の日本共産党は佐野学・鍋山貞親ら最高幹部が獄中で転向し、権力に屈服した。星野同志を先頭とする11・14弾圧との闘いは、日本階級闘争において初めて、命を懸けて弾圧と闘い、絶対反戦を貫く階級的実力闘争として開始され、発展した。星野・大坂同志を先頭に闘われた「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の闘いは、中国侵略戦争阻止の反戦闘争の決定的内実をつくり上げ、闘いの勝利の展望を今も切り開いている。

裁判を否定した一審判決

 一審判決は、35回の公判を通じて明らかになった、大坂同志が無実であるという事実の一切を無視抹殺し、50年以上前に警察・検察によってねつ造された供述調書のみに基づき大坂同志を有罪と認定した。「供述調書は検事の作文」と語った証人らの真実の証言を、星野裁判での証言も含めて「記憶の減退や変容」だと切り捨てた。
 これは、裁判所による裁判の否定だ。公判が予審判事のつくった調書を追認する場としてあった戦前の司法の姿と同じだ。絶対反戦を掲げて闘う労働者民衆と、中国侵略戦争に突き進む国家権力との非和解性はこの上なく鮮明だ。中国侵略戦争に突進する日帝は、労働者民衆の巨大な反戦闘争爆発の予兆におびえ、司法の暴力によって階級支配の延命を狙う戦時弾圧に乗り出してきたのだ。

「目撃」供述ねつ造の権力犯罪許すな

 大坂同志を機動隊員殺害の実行犯だとする物的証拠は何一つない。デモに参加した群馬県下の大学や高専に通う学生が拷問的な取り調べで虚偽供述を強要された。当時16~21歳の少年ら6人が「星野を見た」というねつ造調書をつくられ、うち4人が「大坂も見た」と言わされた。だが、群馬の少年らと、千葉工業大学の大坂同志に面識はない。「法廷が初対面」と語った証言こそ真実だ。
 権力は取り調べで大坂同志の写真を示し、「星野に次ぐリーダー」とのストーリーに基づき名前を教えて供述を迫った。弁護団は控訴趣意書で、こうした大坂同志「特定」に至る調書のねつ造を徹底的に暴き、鮮明にさせた。
 警察や検察が犯人をでっち上げるために証拠をねつ造し、裁判所がこれを追認する。袴田事件や狭山事件で暴かれたこの階級的不正義に、労働者民衆の怒りは高まっている。大坂同志「目撃」供述のねつ造は明らかだ! ここに徹底的に食らいつき、控訴審裁判勝利へ大運動をつくろう。

救援会統一で運動拡大へ

 今年3月24日、東京地裁民事第14部(村主隆行裁判長)は「星野の獄死の責任は国にある」「星野の病状を更生保護委員会に通知しなかった徳島刑務所長の行為は違法である」とする判決を出した。無実の政治囚・星野同志を虐殺した許されざる国家犯罪を、労働者階級は絶対に許すことはない。闘いの真の勝利は大坂同志を取り戻すこと、日帝を打倒することだ。
 星野救援運動はこの50年、日帝の改憲・戦争攻撃の前に立ちふさがってきた。国家権力の総力を挙げた弾圧を打ち破り、「非転向の党」を星野同志が体現した。救援会は安保・沖縄闘争弾圧と闘う陣形を全国に築き、えん罪や権力犯罪と闘う広範な人々とも結びつき、獄中闘争を守り抜いた。指名手配と46年間闘い抜いた大坂同志は、70年決戦が革命勝利のために求めた「非合法・非公然の党」建設の先頭で闘ってきた。この星野と大坂の闘いは一つのものとして労働者民衆に「プロレタリア革命に勝利する党」の存在を示し、絶大な階級的信頼を築き上げた。

星野国賠の勝利を大坂奪還の力に!

 星野同志虐殺から6年、広範な労働者階級の力で裁判所を追い詰め、星野国賠で画期的勝利をつかんだ。その力を、反戦闘争の爆発=大坂同志奪還の闘いへ全力で注ぎ込もう。救援会の統一で運動の飛躍的強化・発展をかちとろう。
 5・30集会は、星野と大坂の闘いを名実ともに統一し、大坂同志を絶対に奪還する闘いに全力で突入する総決起集会だ。星野・大坂精神を発揮し、階級情勢を揺るがす中国侵略戦争阻止の大反戦闘争を巻き起こそう。この闘いこそ大坂奪還の力である。大坂同志と団結し安保・沖縄闘争と一体で実力奪還へ向かう控訴審闘争は、この社会の現実に怒り変革の闘いに燃える青年・学生・女性を獲得し、プロレタリア革命への道を切り開く。5・30集会に集まり、新たな闘いに全力で突入しよう。6・14全国反戦闘争へ闘いを進めよう。

5千筆署名を集め事実調べ切り開け

 控訴審闘争の喫緊の課題は、大坂同志を取り戻すための具体的な闘いだ。一審判決粉砕には「事実調べ(=新たな証拠調べ)」が絶対に必要だ。控訴趣意書に対して今年2月に出された検察の答弁書は、大坂同志の無実が明らかになることを恐れ、「一審判決は正しい」「控訴審で事実調べを行う必要はない」と繰り返し高裁に求めている。それは星野確定判決(無期懲役)で事実認定の軸とされた調書すら「信用できないから取り調べるな」と言い放つ、徹頭徹尾でたらめな戦時弾圧だ。
 弁護団の求める事実調べは、でっち上げを暴き大坂同志の無実を明らかにするものだ。東京高裁は事実調べを行え! 激闘の5、6月反戦闘争と一体で全国5千筆署名を集めよう。連続的な裁判所行動に立ち、東京高裁を労働者民衆の怒りで揺るがそう。5・30集会に結集し、大坂同志実力奪還へ総力決起しよう。
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▼大坂正明同志
 1971年11・14渋谷暴動闘争戦士。殺人罪でっち上げで逮捕され、東京地裁で23年12月に懲役20年判決、無実を訴え控訴中。  「半世紀前に私たちが闘った11・14闘争と、今日の沖縄闘争、反戦闘争は一本につながっています。あらゆる機会をとらえて全国で沖縄闘争を展開してください」と獄中からアピール。
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東京高裁に申し入れ
 沖縄闘争に共感集まる

(写真 署名提出に先立つ高裁前街宣で、大坂さん解放の訴えが人々の支持と共感を生み出した【5月8日 東京都千代田区】)

 星野全国再審連絡会議と大坂正明さん救援会は5月8日、東京高裁前での宣伝活動と東京高裁への署名提出・申し入れを行った。大坂さん救援会と共に、東京の杉並・三多摩・東部・北部、神奈川と千葉の星野さん救援会が結集し、33人で闘いとった。
 署名提出・申し入れ行動に対し、高裁は人数を20人に制限してきた。怒りを込めて各救援会が申入書を読み上げ、裁判所を徹底弾劾。「無実の大坂さんを直ちに解放しろ」「高裁は目撃供述のうそを暴く『鑑定意見書』の証拠調べを行え」と迫り、全国の仲間が集めた大坂さん解放署名3174筆を提出した。
 申し入れに先立ち、星野・大坂救援会が一体となり、圧倒的なアピール力で高裁前を制圧して街頭宣伝を行った。のぼりの「沖縄」の文字を見て話を聞きに来た沖縄出身のタクシー運転手は、星野暁子さんと話して「がんばって」と署名してくれた。連れ合いが沖縄出身だという男性は「再びの沖縄戦を絶対許すな」の訴えに「その通りだよ」と署名した。星野さん、大坂さんは「沖縄の全基地撤去」を闘って「殺人罪」をでっち上げられたという訴えが、強いインパクトを伴って人々の間に支持と共感を生み出した。
 大坂さんは無実だ。裁判を無視し、ねつ造された「目撃供述」だけで懲役20年とする一審判決に対し、民衆の怒りが渦巻いている。5・15沖縄現地闘争の高揚から、5・30全国総決起集会へ攻めのぼろう。

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星野文昭さん獄死6年/大坂正明さん絶対奪還
控訴審勝利5・30総決起集会
 5月30日(金)午後6時30分
 弁護士会館講堂クレオ
 主催 星野・大坂全国救援会(準)

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