ガザ更地化の新計画許すな イスラエルが閣議で承認 米の後押し受け人民一掃狙う

週刊『前進』04頁(3395号03面03)(2025/05/12)


ガザ更地化の新計画許すな
 イスラエルが閣議で承認
 米の後押し受け人民一掃狙う

(写真 モロッコ・タンジェで4月20日、アメリカからイスラエルにF35戦闘機の部品を供給する船舶の入港に反対して1500人がデモ。港湾労働者はボイコットで闘っている)

 イスラエル政府は5月4日の閣議で、パレスチナ自治区ガザに対する軍事攻撃の拡大計画を承認、これを受けて軍が数万人の予備役の招集を開始した。計画は、新たな地域で作戦を展開し「すべてのインフラを破壊する」としている。2023年10・7蜂起以来1年7カ月に及ぶ侵略と虐殺の果てに、イスラエルはアメリカ帝国主義・トランプの強力な後押しを受け、ついにガザからパレスチナ人民を一人残らず一掃しようとしているのだ。

「ガザは完全破壊住民は国外追放」

 計画は「ガザの占拠とその領土の保持、210万人のガザ住民の南部への移動、ハマスが人道支援物資を配給できないようにすること、ガザへの強力な攻撃」を含むという。第1段階では、ガザ地区のさらなる占拠と、イスラエルが指定する「緩衝地帯」の拡大を狙っている。政府高官は、トランプ米大統領の中東訪問が終了する16日までに人質の解放が合意に達しなければ作戦を開始すると主張している。
 ネタニヤフは「軍がガザに入って出てくることはない」と強調、スモトリッチ財務相も「ガザは完全に破壊される。民間人は南部に送られ、そこから第三国への大量出国を開始する」と言い放った。ガザを更地化し、パレスチナ人民を永久にたたき出す意図を公然と宣言したのだ。
 ガザ内の病院では4月27日、過去24時間の空爆で51人の遺体が確認された。イスラエル軍はその後も5月4日に24人以上、5日には51人以上を殺害するなど大量虐殺を続けている。犠牲者の大半は女性や子どもだ。23年10月7日以降の死者数は、ガザ保健省の発表で5万2千人を超える。2カ月以上にわたってガザへの物資搬入も停止させ、食料価格は1~3月の15倍に高騰、医薬品や医療機器などの重要物資も枯渇している。これまでに6万5千人以上の子どもが重度の栄養失調で病院に搬送され、餓死者が続出している。
 イスラエルはヨルダン川西岸の併合をも狙い、民家の破壊などを続けている。これらの破壊と殺りく、飢餓作戦の一切を「正義の戦争」と居直っているのだ。

米がイエメン空爆で100人以上を殺傷

 イスラエルは中東諸国への攻撃も激化させている。4月27日にレバノンの首都ベイルートに「停戦」後3回目の空爆を行った。さらに30日と5月2日にシリアの首都ダマスカス、5日にはイエメン西部ホディダの数十カ所、翌6日には首都サヌアの空港などを空爆した。中国侵略戦争に注力するために民族解放闘争の圧殺を狙う米帝も、4月28日にイエメン北部の移民収容所を空爆し、100人以上を殺傷した。
 米=イスラエルの中東侵略・虐殺戦争の拡大に、中東諸国をはじめ全世界で怒りの反戦闘争が広がっている。戦争と虐殺の元凶=帝国主義打倒へ、全世界の闘う人民と連帯し、日本での反戦闘争を爆発させよう。
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